ユニクロの店頭に設置されている「イチローPOST」をご存知でしょうか?
この「イチローPOST」、日本全国の小学生・中学生なら誰でも“あの”イチローさんにお手紙を送ることができるポストなんです。
「手紙を送ってどうするの?」「なんでユニクロに置いてあるの?」同プロジェクト仕掛け人のお二人にお話を聞いてみると、それはイチローさんとユニクロの“未来を担う次世代の子どもたち”への想い、また子どもの可能性を広げるヒントがたくさん詰まったとってもすてきな取り組みでした。
まず最初に「イチローPOST」とは、さまざまな夢を描き挑戦する子どもたちをユニクロがイチローさんと共に応援する次世代育成プロジェクト。
イチローさんは「きみが好きなこと、向き合おうとしていることは何ですか?」と、子どもたちに問いかけています。その質問に対し、それぞれが思う、向き合っていることやイチローさんに伝えたいことを「手紙」に記し、ユニクロ店頭にあるイチローPOSTおよび特設サイトから投函すると、イチローさんのもとへ届けることができるのです。
ここで大切なのは、子どもたちが自分の言葉で伝えること。自分は今何を考え、がんばろうとしているのか。それを言葉にすることは、今まで気づかなかった気持ちに気づけたり、新たな目標が見えたり、子どもたちの「がんばるきっかけ」となる可能性を秘めています。
手紙を受け取ったイチローさんに思いが届けば、イチローさんが会いに来てくれるかもしれないし、特設サイトからお手紙の返信メッセージをくれるかもしれない。また同プロジェクトのコンテンツで、イチローさんのこれまでの経験や考えをたくさん言葉にして伝えてくれているので、特設サイトを訪れてみれば、イチローさんの言葉が背中を押してくれるかもしれません。
7月21日には、兵庫県養父市にある少年野球チーム、広谷オリオンズでキャプテンを務める小学校6年生のじろうくんから届いた手紙を読んだイチローさんが、実際に広谷オリオンズを訪問した様子の動画が公開されました。
野球の技術を教えるだけではなく、ふれあいを心から楽しみ、その場で感じたことや自分なりの考えを子どもたちに伝えていくイチローさん。そこにキラキラと輝くような時間が流れていたことは映像からも感じられ、子どもたちとイチローさんの筋書きのないやりとりは見ているこちらまで胸が熱くなります。
仕掛け人のお二人に聞く「イチローPOST」のこれまでとこれから
ところでこの「イチローPOST」、なぜ「LifeWear」を掲げるカジュアルウェアブランド「ユニクロ」が取り組んでいるのか。「イチローPOST」を手掛ける、ユニクロ グローバルマーケティング部 部長の文原徹さん、同じくグローバルマーケティング部の渡邊暁眞さんにお話をうかがいました。
そもそもユニクロでは、子どもたちをスポーツやアスリートを通じて応援する次世代育成活動「UNIQLO Next Generation Development Program」を、日本のみならず世界の子どもたちを対象に展開しています。子どもたちは、テニスのロジャー・フェデラー選手や錦織圭選手をはじめとするスポーツの分野を極めた一流アスリートと交流することができ、その機会をきっかけに前向きに力強く生きるヒントを得てそれぞれの夢の実現に向けて前身していける、そんなイベントを世界各地で数多く実施し、ユニクロならではの学びの場を提供し社会貢献を実践しています。
「イチローPOST」は同プログラムの一環として行われていて、両取り組みを手がける文原さんはユニクロの次世代育成活動についてこう考えます。
「ロジャー・フェデラー選手と一緒にフィールドに立ってテニスができた。手紙を送ったらイチローさんが会いにきてくれた、返事をしてくれた。そのような経験は、その子たちの人生を変えてしまうほど大きな影響力があると考えます。指導してもらった競技の選手にならなくとも、その子の人生の中で『僕はこの経験があったからこうなった』と思えるきっかけになるような経験を提供できる。それが「ユニクロ」という日本国内外でもそれなりに大きな存在になったブランドが次世代に向けてやっていけるポジティブな活動なのかな、と思っています」
またイチローさんを起用した理由に関しては、「誰も否定することのできないレベルのことを実績として残された方で、イチローさんの存在感、人としての魅力はもちろん感じていました。より多くの子どもたちの人生に対して、ポジティブな影響力を寄与していくことが一緒にできるなら、イチローさんとユニクロが組むのは社会にとっていいことだと考えたのが起点ですね」と、話してくれました。
昨年11月から始まった「イチローPOST」。これまでに延べ4,000通以上の手紙が届いたといいます。弁護士を目指す子、バレエやピアノ、習字をがんばる子など、さまざまな分野でがんばる子どもたちから手紙が届くなかで「印象に残っている手紙はありますか?」と渡邊さんに聞いてみると、思わぬ答えが返ってきました。
「『こうやって自分の気持ちを手紙に書いて表すことで、次にがんばれる目標が見えてきた気がしました』という内容の手紙が意外とたくさんあったことが印象的でした。もともと“手紙を書いて自分の想いを記す”という行為がこれから目標や夢などを追い求めていくうえで大切、そう思いプロジェクトを始めた側面がありましたが、今の自分の気持ちを文字で表現してみるってやっぱり大切なことなんだなと、子どもたちの言葉からあらためて実感しますし、この取り組みを始めてよかったなと感じる部分です」
これからの「イチローPOST」について、お二人はこんな展望を描きます。
「将来いろんな発展の形があると思いますが、この企画でイチローさんと触れ合った子のなかからプロになった選手が出てきたとか、それぞれのフィールドで活躍する子が「実は子どもの時イチローさんに…」という話が聞ければいいなと思っています。子どもたちのがんばるきっかけになれれば嬉しいです」(文原さん)
「元々のプロジェクトの目的が『がんばれる子どもたちをもっともっと増やすこと』なので、だからこそ半年一年のスパンではなく、時間をかけて、さまざまな取り組みを発信するなかで、ひとりでも多くの子どもたちのためになれば、というのが我々の思いです。ひとりでも多くのがんばれる子を増やすために何ができるか、もっともっと考えて子どもたちの明日につながるプロジェクトにしていきたいです」(渡邊さん)
7.23 ほっともっとフィールド神戸で「ユニクロ イチローPOST DAY」開催
2023年7月23日(日)には、イチローさんゆかりの地、ほっともっとフィールド神戸でのオリックス・バファローズ対北海道日本ハムファイターズ戦で「ユニクロ イチローPOST DAY」と題した試合・イベントが開催されることになりました。
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「ユニクロ イチローPOST DAY」をほっともっとフィールド神戸で開催。手紙を送った子どもたちのなかから始球式やスタメンキッズも
当日は球場内にイチローPOSTや特設ブースが設置され、来場の小・中学生にはお手紙キットが配布されるので、その場で手紙を書き、当日投函することもできます。「ユニクロ イチローPOST DAY」について文原さんは、
「イチローさんからこの日のイベントのためだけの特別なメッセージをいただいています。『イチローPOST』のプロジェクト自体が、本当に世の中をよくしていきたい、子どもたちに元気を与えたいというイチローさんの思いがこもっているものなので、イチローさんの言葉には重みがあると感じています。そんな特別なメッセージを、来場した方には楽しんでいただきたいです。
また来場する子どもたちが、この夏『ユニクロ イチローPOST DAY』が開催される日に球場に野球を見にきた、というのもひとつの思い出、そして縁になると思います。自分の好きなこと向き合っていることを、イチローさんの顔を想像しながら手紙に書いて、ぜひ球場に設置されたイチローPOSTに投函してみてください。イチローさんが会いにきてくれるかもしれませんよ」
と、メッセージを送りました。
子どもにとって、生きているなかで「どんな人に出会えるのか」「どんな環境で育っていくのか」というのはとっても重要で、心が動く・感動する出会いがあれば、子どもはどこまででも伸びていける……そう考えるなかで「イチローさんに触れる・出会う」という機会を届けるこのプロジェクトは、野球という枠にとどまらず、日本の未来を明るくするようなとても素敵な取り組みだと感じました。
これから夏休みに入り、お子様と家で過ごす時間が増える今「イチローさんに手紙を書いてみない?」そう提案してみてはいかがでしょうか?
文・池田紗里
動画・ユニクロYouTube公式チャンネルより
イチローPOST特設サイトはこちら
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