7月14日(金)に開幕する第94回都市対抗野球大会。全国から集まった32チームが社会人野球の頂点を目指して熱戦を繰り広げる。パ・リーグでも現在、多くの社会人野球出身選手が活躍しているが、今回は、埼玉西武ライオンズの森脇亮介投手と源田壮亮選手に、社会人野球にとっての“甲子園”ともいうべく都市対抗野球大会と、チーム在籍時の思い出をうかがった。
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2019年、セガサミーからドラフト6位で埼玉西武ライオンズに入団。当時27歳という遅咲きルーキーとしても話題となった森脇投手。セガサミーで過ごした4年間は“プロ入りかそうでないか”の狭間で揺れていた時期でもあった。
「それまでは自分がプロに行くために、例えばストレートの球速や、三振数ばかりを考えていたんですけど、4年目になって『プロはないだろうな』って思ったんです。今着ているユニフォームが最後のチームのユニフォームになるんだろうと思って野球をやっていました」
それが2018年の都市対抗野球大会でのことだった。最後のユニフォームだと思って挑んだ初戦のNTT西日本戦で12奪三振の完封勝利を収め、優秀選手賞を受賞。チームもベスト4と躍進を遂げたことで潮目が変わった。
「僕は予選から中継ぎで投げていることが多かったのですが、予選から本戦の間の練習試合でも調子よかったんです。そこでちょっと先発もいけるんじゃないか、と。結構ぎりぎりに決まったのではと思うんですけど、『先発するんや』って思ったのは覚えています。
これまでチームは都市対抗野球大会で2回戦までしか進めていなかったので、このチームで上まで行きたい、勝ちたいと意気込んでいたところ、先発して完封。今までがちょっと独りよがりだったんだなと思いました」
この活躍をもってしても本人の中では「(プロ入りは)10段階中2〜3くらいの心持ち。年齢も年齢だったんで」と消極的だった。活躍の年のドラフト6位指名、そしてその後中継ぎとして獅子奮迅の活躍という未来予想図はその当時は描けてはいなかったという。
4年間の社会人野球で多くのことを得てきた。そのひとつがフォークボール。現在、森脇投手の投球割合の40%近くを占める球種だ。
「フォークは社会人に入ってから習得したボールです。当時ピッチングコーチだった吉井(憲治)さんにフォークを教えてもらって使えるようになりました。あとはそれまでただただ思い切り投げていたので、体の使い方を指導していただくことが多かったです」
ライオンズは社会人野球出身の選手が多いが、今回の都市対抗野球の地区予選も選手同士で盛り上がっていたようだ。
「みんな携帯で試合の速報を見たり、どこがどうやって勝った、負けたとかいう話をします。出身チーム関係なく都市対抗の話題は盛り上がりますね」
古巣の結果や動向が気になって逐一追っていたという森脇投手。本戦で見てほしいセガサミーのイチオシ選手は。
「僕がずっと推しているのは草海(光貴投手)。すごくまとまっていてコントロールも良く、いろいろな球種も投げられて器用です。僕は自主トレ期間中にセガサミーへ練習に行っているのですが、貪欲な選手でさまざまなことを聞いてきます。今年の都市対抗でどんな活躍をするか期待したいですね。
あと、須田(凌平選手)っていう僕と同い年のキャッチャー。もう社会人野球だったらベテランの域に入ってきているんですが、キャッチングの技術がすごいのでぜひ見てください」
最後に、森脇選手が考える都市対抗野球大会の注目ポイントをうかがった。
「全員が全員一生懸命なので、1プレーも手を抜かずにやっているところですね。トーナメントですし、負けたら次がない。1塁までヘッドスライディングももちろんしますし、ピッチャーも全力で投げますし、交代して出てくる選手も、ギラついているような(笑)。そういうのを味わうのが都市対抗と日本選手権の魅力じゃないですかね。本当にプレッシャーを楽しんでいるなというのはすごく感じるんで、そういう何気ない姿も見てほしいなと思います」
セガサミーは三菱自動車岡崎(岡崎市)を相手に、7月19日(水)18:00から初戦を戦う。セガサミーといえば、応援団が奏でるチャンステーマが現役プロ野球選手からも愛されているということで、その応援スタイルも野球ファンから注目を集めている。今夏の都市対抗野球大会から声出し応援解禁なので、近年になかった盛り上がりを見せるであろう。セガサミー流の応援スタイルをぜひ現地で体験してほしい。
第94回都市対抗野球大会概要
期日:2023年7月14日(金)から25日(火)までの12日間
会場:東京ドーム
主催:毎日新聞社 日本野球連盟
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チケットの購入はこちらから。
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