打者での復帰へ本格始動へ、エンゼルスには「攻撃面で非常に大きな後押し」
右肘内側側副靭帯損傷で故障者リスト(DL)入りしているエンゼルスの大谷翔平投手が、靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を回避して復帰を目指すことになった。ビリー・エプラーGMが28日(日本時間29日)に電話会見で明かした。
エンゼルスは同日までに今季ワーストの6連敗を喫し、プレーオフ進出は極めて厳しい状況となっている。苦しい戦いが続いているだけに、「打者・大谷」の復帰は数少ない明るいニュース。チームにとっては「価値がある」もので、打撃専念は本人にとっても「利益」だと米メディアは伝えている。
「ジ・アスレチック」は「ショウヘイ・オオタニが2018年シーズン中に起こりうる復帰に向け、前向きな一歩を踏み出す」とのタイトルで今回のニュースを報じ、大谷の“帰還"がエンゼルスに与える影響について分析している。
記事では「彼の復帰が打者としてのみだったとしても、それはプレーオフ進出争いを目論むチームにとって待ち望まれていることである」と言及。たとえマウンドに立つことができなくても、「打者・大谷」は大きな価値を持つ選手だというのだ。
「オオタニのフルタイムでの指名打者としての復帰は、打者専門でメジャーリーグの投手たちと対戦することに集中する初めてのチャンスを与えるものだ。それにより、左打者からの攻撃面での活躍度という面では、非常に大きな後押しとなることだろう」
打者に専念する大谷がどれだけの成績を残すのか。そんな“ワクワク感"も伝わってくる。
大谷復帰で「アストロズとの差をいくらか埋めることに」
一方で、大谷がDH専門の打者として試合に毎日出場することによって、不安視されている面も。レジェンドのアルバート・プホルスの一塁での出場機会が多くなり、DHとして体を回復させる時間が少なくなるというのだ。
もっとも、プホルス自身は元々、一塁の守備につくことを強く望んでおり、今季ここまで離脱などもない。
記事では、マイク・ソーシア監督が「うまくいくことだろう。可能な限り彼らをラインナップに加えていく」と話していたことを紹介。そして、「"打撃オンリー"というように、一つの役割にもっと集中することは、オオタニにとって利益であると言えなくもない」と伝えている。
さらに、米メディア「ブリーチャー・レポート」も大谷が先に打者として復帰する可能性が高まったことを速報。「オオタニは現状で二刀流のスター選手にはなれないが、エンゼルスにとって、打者としての彼にははっきりとした価値があるのだ」と、やはり打者としての存在感の大きさを説明している。
そして、「オオタニの復帰がこの先数週間で、同地区で首位を走るアストロズと、ワイルドカード争いをしているチームとの差をいくらか埋めることになるはずだ」と、アストロズ追撃に向けてもプラス材料になると指摘している。
「打者・大谷」の復帰はいつになるのか。エンゼルスだけでなく、米球界の多くの人がグラウンドに一刻も早く戻ってくることを待ち望んでいる。
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