プロ野球のチアやパフォーマーがさまざまな形で球場を盛り上げ、その活動にも注目が集まるようになった昨今。福岡ソフトバンクホークスオフィシャルダンス&パフォーマンスチーム「ハニーズ」は、今季から「よかよかダンス」なるファン参加型ダンスを踊っている。

　耳に残る明るくキャッチーな楽曲、ぴょんぴょんと跳ねるかわいい振り付け。注目を集め始めた「よかよかダンス」の施策の裏には、意識しないわけがないあの存在が……

　企画の仕掛け人、福岡ソフトバンクホークス株式会社マーケティング企画部 稲永大毅さんにお話をうかがった。

テーマは「福岡らしさ」。ファンと一緒に楽しめるダンスを作りたい

　まず「よかよかダンス」とは、ハニーズがホークスホームゲームの4回表終了後に踊るダンスの名称となる以前に、九州を拠点に活動するアイドルグループ「ばってん少女隊」が2016年にリリースした曲のタイトル。人気テレビアニメのエンディング曲だったことから、曲自体を知っていた方も多いのではないだろうか。

　7年前にリリースされた曲に焦点を当て、採用した経緯について、

「福岡を感じる曲、ノリがいい曲、振り付けがイメージしやすい曲などそれぞれのテーマで30曲ほど候補曲を洗い出し議論を重ねていくなかで、やはり「福岡らしさ」を重要視したいという結論に。
そこから「聞いた人が福岡をより強く感じる曲」に絞って選考し、キグルミの『たらこ・たらこ・たらこ』や『博多ぽてと』のCMソングなども候補にあがりました。
最終的に「ファンの方も一緒に楽しめるダンス」を盛り上げていくには、もともと振り付けがある曲のほうがより浸透しやすいのではないかという理由で、ばってん少女隊の『よかよかダンス』に決めました」

　と話した。「よかよかダンス」の「よかよか」とは、良い、大丈夫などの意味をさす福岡の方言。曲の歌詞のなかにも方言満載で、内容も

＜歌詞＞
ダンスしていたら笑顔になるの（ふっふー）
ダンスしてるから笑顔になるの（よかよか）
どげな辛い事があっても笑っとったら楽しくなるばい！
やけんチカラ合わせ全力で踊らんね！

　と、明るく元気なパフォーマンスでファンの応援をより一層盛り上げ、ホークスに力を与える存在を目指し活動しているハニーズにぴったりだった。また振り付けは、原曲の振り付けを誰でも踊れるよう簡単な動きにアレンジし“ハニーズのよかよかダンス”は完成した。

きつねダンスを超えていけ！

　昨年のプロ野球界を賑わせたトピックのひとつと言えば、北海道日本ハムファイターズの「きつねダンス」。きつねダンスを踊るオフィシャルチアチーム「ファイターズガール」もまた、きつねダンスブームと共に全国区の活躍を見せた。

　同じプロ野球界、同じパ・リーグのパフォーマーであるファイターズガールの活躍を、ただ黙って見ていられるわけなんてない。自らが運営に携わるハニーズにもそれ以上の活躍を期待し、そのための舞台を用意していきたいと思うのは当然のことだろう。

「これまでもファン参加型ダンスはありましたが、『よかよかダンス』に力を入れたのは間違いなく『きつねダンス』の存在があったからです。どこかでなあなあになってしまわないために、何事も「常に1番でありたい」という思いを持って取り組んでいるので、今回もきつねダンスを超えられるものを作りたい！ という気持ちで取り組みました」

　そう胸の内を明かすと、

「“バズる”ってことは、お客さまが球場に来る楽しみが単純に増えるということだと思います。選手や試合観戦以外のことでも、球場に行くきっかけになり、そこからプロ野球ファンになってくれたらとてもうれしいことです。
ハニーズは僕たちが自信を持ってオーディションで採用をして、自信を持って送り出しているので、その魅力をひとりでも多くの方に知ってもらえるためにも、これからもどんどん仕掛けていきたいと思っています」

　と、話してくれた。


　踊ればあなたも博多美人。「よかよかダンス」をぜひ覚えて踊ってみてほしい。

文・池田紗里

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