福岡ソフトバンク・川崎宗則選手、NPB一軍復帰ゲームで躍動

パ・リーグ インサイト 武山智史

4月28日、京セラドーム大阪。1回表、目の下に墨を塗った「背番号52」が左バッターボックスに入る…。

今日は復刻イベント開催のため、ユニホームこそ南海ホークス時代のグリーンを基調にしたものだが、川崎宗則選手がホークスに帰ってきた。公式戦では2011年10月22日のマリーンズ戦(QVCマリン・当時)以来、6年ぶりとなる。

4月1日の入団会見以降、川崎選手は試合感覚を取り戻すべくウエスタンリーグに出場してきた。13試合に出場し打率は.441。高い打率を残し、満を持しての一軍昇格となった。

一軍昇格後初めての試合となったこの日、いきなり「1番・セカンド」でスタメン出場を果たす。試合前、国歌斉唱でベンチ前に並ぶと、「ムネリーン!」とファンから声援が飛び、川崎選手はその声に手を挙げ応える。プレーボール直前にはベンチ前でダッシュを繰り返し、試合へと気持ちを高めていった。

注目の第1打席。川崎選手はバファローズ先発・西勇輝投手が投じた初球、内角のストレートを果敢に引っ張る。しかし、ファースト・モレル選手のミットに収まるファーストゴロとなる。

デスパイネ選手が先制ソロを放った2回表、2死1,2塁のチャンスで川崎選手に打席が回る。今度はボールをしっかり見極め球数を稼いでいく。タイムリーが期待されたがフルカウントからの7球目、外角低めに落ちるチェンジアップにバットが空を切り三振に倒れた。

4回裏、川崎は守備で魅せる。2死1,2塁、中島宏之選手の放った打球は、痛烈なゴロとなってセンターに抜けるかと思われた。しかし、この時、やや二遊間寄りに守っていた川崎選手は横っ跳びでこのボールをキャッチ。捕球後にグラブからボールがこぼれるもすかさず拾い上げ、2塁ベースカバーに入ったショート・今宮健太選手にボールをトスしチェンジ。チームのピンチを救う好プレーとなった。

同点に追い付かれた直後の7回表、この試合4打席目となった川崎選手が先頭打者として打席へ。その初球、低めのチェンジアップをすくい上げ、NPB復帰後初安打となるセンター前ヒットで出塁。川崎選手の一打でホークス打線は勢いづき、途中出場した3番・福田秀平選手の勝ち越し2ランを呼び込んだ。その裏には本多雄一選手がセカンドに入り川崎選手はベンチへ退く。NPB復帰戦は4打数1安打1得点でホークスの勝利に貢献。勝利が決まった瞬間、ベンチにいた川崎選手は真っ先に飛び出し笑顔でハイタッチをかわしていった。

試合前には「Have Fun!」とチームを鼓舞した川崎選手。パ・リーグの覇権奪回を狙うホークスにとって、チームの起爆剤となるべき選手が加わった。持ち前の明るさでのムードメーカー役はもちろん、その豊富な経験もチームにとって心強い。川崎選手がホークスにどんな「化学変化」をもたらすのか、今後の一挙手一投足が見逃せない。

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パ・リーグ インサイト 武山智史

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