パ・リーグ史上7人目、28年ぶりの珍記録。埼玉西武・菊池投手が先頭打者のみの1安打投球

パ・リーグ インサイト 松下雄馬

2017.4.21(金) 00:00

埼玉西武ライオンズ・菊池雄星投手(C)パーソル パ・リーグTV
埼玉西武ライオンズ・菊池雄星投手(C)パーソル パ・リーグTV

パ・リーグでは1989年以来、史上7人目の珍しい記録が生まれた。

埼玉西武の菊池雄星投手が4月21日の対北海道日本ハム戦で1安打完封勝利。これだけでも誇れる結果だが、初回の先頭打者・西川選手のみに安打を許し、その後は四球や失策などで走者を出しながらも安打を許さない投球。“初回先頭打者の安打のみの1安打投球”はパ・リーグでは実に28年ぶりの記録となる。

開幕戦の白星以降、力投を見せるも勝ち星がつかず、3試合ぶりの勝利を目指して臨んだマウンド。初回の先頭打者・西川選手に安打を許し、犠打と内野ゴロで2死3塁。いきなりピンチの場面を迎えるが、4番・レアード選手を外角低めのカーブで打ち取って無失点。直後の打線の援護を呼び込む。

2回、3回は150キロ前後の直球と、大きく変化する多彩な変化球でともに3者凡退。4回はわずかに低めへ外れる四球で走者を背負うも、後続を封じて無失点。5回、6回の2イニングスでは、4三振を奪い、尻上がりに調子を上げていく。

エースの好投に刺激を受けた打線が6回までに7得点。強力な援護に背中を押された菊池投手は、「初回からバランスよく投げられている」と土肥投手コーチが語ったように、終盤に突入しても、崩れることなく好投を続ける。

そのまま菊池投手は130球を超えた9回のマウンドにも上がり、150キロ台の直球を連発するなど、疲れ知らずの投球でこの試合5度目となる3者凡退。最高のかたちで締めくくり、開幕戦以来の今季2勝目を手にした。

お立ち台では、「めっちゃ気持ちいいです」と喜びを口にしつつも、「チームの状態がいいので、このままの調子で頑張ります」とすぐに次の登板を見据えた菊池投手。岸投手がFAで移籍し、芽生えたエースの自覚。今季は自身初のタイトル獲得、そして2008年以来のチームの優勝を目指す。

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