2試合で12回2失点。ここまでの2戦で千葉ロッテ・佐々木千隼投手がいずれも前評判通りの好投を見せている。4月20日、敗れはしたものの、7回1失点の内容で福岡ソフトバンク打線を相手に堂々の投球。パ・リーグの新人王最有力のドラ1右腕が今日の登板でもしっかりと好結果を残した。
オープン戦は13勝2敗3分、勝率.867で2位に3ゲーム差をつけ、絶好調だった千葉ロッテ。しかし、シーズン開幕後はなかなか波に乗れず、上位浮上へのきっかけを探る日々が続く。そんな中で、涌井投手が1勝2敗、石川投手が0勝3敗と、頼みの二本柱が揃って本調子には遠い投球。石川投手は4月19日に登録を抹消され、再調整を命じられる事態に陥っている。
こういう苦しいときにこそ、チームとして必要になってくるのが新戦力の活躍である。今日の佐々木投手はチームに勝ち星こそつけられなかったものの、十分すぎるほどの投球で今後へ向けた明るい材料をもたらした。
初回、先頭の中村晃選手に全球ストレート勝負を挑み遊ゴロ。続く2番・今宮選手へは浮き上がるような直球で手を出させず。3番の柳田選手は外角低めのシンカーで打ち損じさせた。
2回はデスパイネ選手に四球を許し、走者を出すも無失点。3回は中村晃選手に四球を与え、1死1,2塁のピンチを迎えた場面で女房役・田村選手がマウンドへ。同級生バッテリーがともに笑顔で一呼吸置き、冷静さを取り戻すと、直後の今宮選手を併殺に仕留めてピンチ脱出。3回まで無失点と上々の立ち上がりを披露する。
「今日は前回の初登板より落ち着いて投げられている」と英二投手コーチが評したように、4回以降も落ち着いた投球を展開。5回に味方のミスで1点を失うも、そこで崩れることなく辛抱強く投げ続けていく。6回は得点圏に走者を背負うが、意に介さず。7回にも安打で走者を背負ったものの、おあつらえ向きの併殺で切り抜けた。
外角いっぱいのストレートに福岡ソフトバンク打線は苦戦し、右打者の外角に逃げるスライダー、内角低めに決まるシンカーで最少失点に抑え続けた。また、臆することなく内角の厳しいコースを突く強心臓ぶりも発揮し、7回104球を投げ、被安打5、奪三振5、与四球3、失点1。打線の援護に恵まれず、プロ初黒星となったが、今後に期待の持てる投球内容だったと言えるだろう。
前回登板から中13日で迎えた今回の一軍登板。今後はローテーションの一角として、間隔を狭めての登板が予想される。低迷するチームを救う救世主となり、目標に掲げた新人王獲得となるか。今後の佐々木投手の登板に注目していきたい。
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