北海道日本ハム、けが人が続出する苦境の中で若い力が台頭

パ・リーグ インサイト 武山智史

2017.4.20(木) 00:00

ペナントレース開幕から約半月が経過し、各球団との対戦も一回りした。スタートダッシュに成功した楽天に対し、出遅れてしまったのは昨年日本一に輝いた北海道日本ハム。開幕カードの埼玉西武戦から3カード連続で負け越してしまう。チームに不可欠な存在である大谷翔平選手と中田翔選手、さらには守護神のクリス・マーティン投手、チームのムードメーカー・杉谷拳士選手と戦線離脱が相次ぎ厳しい状況が続いている。

そんな苦境の中、新しい若い力が台頭しつつある。まず挙げられるのは早稲田大からドラフト2位で入団したルーキー・石井一成選手。4月5日の千葉ロッテ戦に「9番・セカンド」でプロ初スタメンを果たすと、4打数2安打1打点と活躍。セカンドのポジジョンでスタメンに定着している。14日の楽天戦では2回に先制となるプロ初本塁打を放ち、守備だけでなくバットでもアピールしている。

その石井一選手の1歳上であるプロ2年目・横尾俊建選手も出場機会を増やしている。オープン戦では打率.361と高い数字を残し開幕一軍入り。中田選手の穴を埋めるべく、持ち味である長打力でレギュラーに定着したいところだ。

投手では高卒3年目、191センチの長身を誇る石川直也投手が中継ぎの一角に加わった。昨年は1試合のみの登板だったが、今年はキャンプから一軍で過ごし12、13日の福岡ソフトバンク戦では2日連続で柳田悠岐選手に一発を浴びるも、後続を抑え2試合連続でホールドを記録。16日の楽天戦では3対2と1点リードの8回に登板。2死満塁とピンチの場面で、岡島豪郎選手を投ゴロに打ち取り窮地を脱した。試合はその後、後続の投手が失点し延長10回にサヨナラ負けとなるも、リードの場面で任されるなど栗山英樹監督からの信頼を得つつある。昨年、新人王を獲得した高梨裕稔投手は中継ぎで結果を残し先発に回っただけに、石川直投手もその流れに続けるか。

また、北海道日本ハムといえば高卒野手の活躍が目立つチーム。13日の福岡ソフトバンク戦ではこの日一軍登録されたプロ5年目・森本龍弥選手が「8番・ファースト」でプロ初出場を果たす。プロ初打席となった2回には2死1塁の場面でセンター前へプロ初安打を放ち、チャンスを広げる。続くプロ3年目・前日もスタメンマスクの清水優心選手もタイムリーで続いた。森本選手、清水選手とともに一軍定着するべく奮闘している。

18日にはプロ2年目の内野手・平沼翔太選手が初めて一軍に昇格した。福井・敦賀気比高時代は3年春にセンバツ優勝投手となった平沼選手は、高校時代に4番を打った打力を買われてプロ入り後は野手に転向。昨年は二軍で91試合に出場し経験を積んだ。今季は二軍でここまで打率.322と結果を出し、着々と成長を遂げていた。森本選手に続く一軍デビューが期待される。

「スカウティングと育成で勝つ」という姿勢で選手を育て、結果を出してきた北海道日本ハム。ケガ人続出のピンチを若手台頭のチャンスに変え、この難局を脱したい。

記事提供:

パ・リーグ インサイト 武山智史

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE