オープン戦における好成績とは打って変わって、開幕後4連敗を喫した千葉ロッテ。一方、開幕3連勝を飾り、上々のスタートを切った福岡ソフトバンク。明暗が分かれたと思われた両チームだが、現在順位は千葉ロッテが5位、3ゲーム差で福岡ソフトバンクが4位と、ともにBクラスに沈んでしまっている。
4月19日現在、千葉ロッテのチーム打率は.190。現状を打破するためには、打線の復調が不可欠であることは疑いようがないが、ここにきて、投手陣の柱である石川投手までが不振に陥った。4月4日に今季初登板を果たし、5回2失点とまずまずの結果を残したものの、その後は3回5失点、5回6失点と打ち込まれ、成績は0勝3敗、防御率7.62。4月18日の敗戦を機に、とうとう二軍調整を命じられた。
福岡ソフトバンクは、オフの補強に力を入れていたこともあり、OBなどほとんどの関係者が開幕前に優勝候補として挙げていた。しかし、12日からは4連敗を喫し、勝ち越しに成功したのも開幕カードと今カードの2カードのみ。少なくとも現時点では投打がかみ合わず、勝ちを取りこぼしている印象が強い。
さらに、開幕投手を務めた和田投手が、左肘の炎症により11日に登録抹消。先発した2試合では、さすがの投球を披露して2勝を挙げていた。エースの離脱がチームにとって大きな痛手となったことは言うまでもない。続いて、先発ローテーションの1人であり、2桁勝利が計算できる武田投手も、右肩痛により長期的に一軍を離れる見通しとなった。福岡ソフトバンクが目指す王座奪還までの道のりに、早くも暗雲が立ち込めている。
ただ、千葉ロッテ・石川投手、福岡ソフトバンク・和田投手、武田投手などの主力の穴を埋めるべく、千葉ロッテではスタンリッジ投手、福岡ソフトバンクでは東浜投手が奮闘を見せた。
ともに実績のある投手ではあるが、開幕2試合目までは本来の力を発揮できず、チームに大きく貢献しているとは言い難かった。しかし3試合目の先発となる19日、ZOZOマリンスタジアムにおける直接対決で、息詰まる投手戦を繰り広げる。
「今日こそはという強い思いを持ってマウンドに上がった」と言う東浜投手は、7回を投げて被安打3、与四球2、奪三振6、無失点と素晴らしいピッチング。前夜の試合で圧巻の2桁奪三振を記録した千賀投手に続き、チームを2連勝に導く快投を見せた。対するスタンリッジ投手は、6回を投げて被安打4、与四死球6、奪三振6、1失点。0対2という僅差でチームは敗れたが、先発としての仕事は果たしている。
不振や故障により離脱した石川投手、和田投手、武田投手らの穴は決して小さくはないが、この苦境を乗り越えチームを浮上させるためには、東浜投手やスタンリッジ投手のような存在の踏ん張りが必要だ。厳しい状況だからこそ、選手1人1人にこれまでとは違う課題意識が生まれ、それが良い影響をもたらすことになるだろう。両先発が好投し次につながる結果を得ることができた千葉ロッテと福岡ソフトバンクの今後の巻き返しに期待したい。
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