守護神・有原が招いたピンチに…「一発目で決められて良かった」
ベテラン捕手が絶体絶命のピンチを救った。日本ハムの鶴岡慎也捕手が16日のヤクルト戦(札幌ドーム)で9回の守備から登場。1死二、三塁の場面、三振ゲッツーで試合を締めた。
クローザー2試合目の有原航平投手は立ち上がり制球が定まらず、先頭の雄平に左翼線二塁打を許すと、続く畠山に四球を与えた。送りバントで1死二、三塁となり、迎えた打者は代打の藤井。低めフォークを2球続けて追い込むと、3球目は外角低めのボールになる直球を要求した。手を出しにいった藤井のバットは止まらず、ハーフスイングで空振り三振。そのボールをすぐさま三塁に送り、三走・田代を刺した。
冷静沈着なベテランが珍しく右手を突き上げてガッツポーズ。「戦略的なことなので、あまり言えないけれど、指示があった。初球から狙っていたけど、あそこでタイミング良く重なった。際どいところにボールが来て、ハーフスイングして。一発目で決められて良かった」と鶴岡はうなずいた。直前に俊足の田代が代走起用されたことで、内野ゴロでのギャンブルスタートを想定し、飛び出す一瞬の隙を狙っていた。
その瞬間、ベンチでは栗山英樹監督も両手を突き上げていた。「素晴らしかった。どのチームもいろんな隙を狙っているが、ああいうところで正確なプレーをするのは思ったよりも簡単じゃない。いいプレーだった」と窮地を救ったビッグプレーを絶賛した。
過去に武田久投手とコンビを組んで9回に登場する抑えの捕手を経験している鶴岡も、薄氷を踏む逃げ切り勝利にホッとした表情だった。「有原が抑えたことが一番の収穫。3つアウトを取ることの難しさを今まで以上に感じているんじゃないかな。こういう経験をして、より一層ピッチングの幅を広げてくれたら」と話し、エース候補のさらなる成長に期待を寄せた。
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