「真っ直ぐをちゃんと放れることが重要」
福岡ソフトバンクの千賀滉大投手が15日、本拠地での広島戦で5回105球を投げ、5勝目を挙げた。15個のアウトのうち奪った三振は11。工藤公康監督も「気合が入っていた」と右腕を称えた。
前回登板の中日戦は4回5失点で黒星。この日は最初から強い気持ちで広島打線に立ち向かった。「前回が前回だったので『どうにかしよう』という気持ちでマウンドに上がりました。5イニングしか投げられなかったですけど、試合を壊さずにしっかり投げれたのは良かったと思います」と千賀。
「ここ最近にしては、いい球を放れてるなと思っていた」と自身が振り返るように、ストレートの勢いもフォークボールのキレも抜群だった。「今回に関しては真っ直ぐも良かったし、真っ直ぐが生きてこそのフォークなので。真っ直ぐをちゃんと放れることが重要だなと改めて感じました」と、原点回帰のマウンドになったことを強調した。
3回は1死一、二塁、4回は1死満塁というピンチを背負いながらも、そこから「もちろん狙っていました」という連続奪三振ショー。そのシーンについて、千賀が「自分の状態のことを考えずにバッターに向かい合えた」と言えば、工藤公康監督も「もう1つギアを上げていた。去年までの千賀君に戻った感じ」と絶賛した。
これまで2度の登録抹消があったことから、現在は100球を目処にした球数制限を受けている。もどかしさを抱えながらも「その制限が解除された時にもっとチームに貢献できるように」と、今は我慢の時であることを自覚している。
ちょうど囲み取材を終えた時に、近くにいた福田秀平外野手からは「よく5回(降板)でヒーロー(インタビュー)に行けるよな」と冷やかされた。千賀は「ロッカーでもみんなから(同じように)言われるんですよ」と苦笑い。そんなチームメイトの皮肉も「次はもっと長いイニングを任せたぞ」という信頼の裏返しだろう。それを千賀自身もきっとわかっているはずだ。
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