交流戦MVPは勝ち越しリーグの勝率1位球団から選出される
5月29日にスタートした「日本生命セ・パ交流戦」も4カードが終わり、残すところ1週間となった。今季は例年以上に天気に恵まれず、ここまで6試合が雨天中止に。その代替試合は、予備日や各球団6カード目を終えた6月18日以降に組み込まれることとなる。
今季で14年目を迎えた交流戦だが、過去13回のうち12回がパ・リーグの勝ち越しで終わっている。最高勝率球団も3年連続V中の福岡ソフトバンクの7回を筆頭に、パ・リーグは千葉ロッテ2回、北海道日本ハム1回、オリックス1回。セ・リーグは巨人の2回だけとなっている。
圧倒的なパ・リーグ優勢となっていた交流戦も、今季はやや様相が異なっている。2位から4位までは埼玉西武、福岡ソフトバンク、千葉ロッテとパが占めているが、首位に立つ東京ヤクルトが9勝2敗と奮闘。6月9日には4年ぶり3度目にセが全勝し、ここまでセ・リーグ33勝、パ・リーグ33勝と全くの五分。勝負の行方は全く分からなくなっている。
それぞれの球団の勝敗とともに、気になるのが交流戦MVPの行方。交流戦のMVPは勝ち越しリーグの中の勝率1位球団から1名が選ばれることに決まっている。そのため現在の順位で言えば、パ・リーグが勝ち越せば、東京ヤクルトではなく、2位の埼玉西武からMVPが選ばれることになる。
では、そのMVPの候補となりそうなのは、一体どの選手だろうか。ここでは2週間が経過した交流戦の成績から、現在勝率5割をキープしている7位DeNAまでの球団のMVP候補をピックアップしてみよう。
首位のヤクルトは助っ人勢の活躍が目立つ
1位ヤクルト(9勝2敗)
ブキャナン 2試合1勝0敗 防0.64 14回9安打6奪三振2失点
バレンティン 11試合52打数16安打4本塁打8打点 .308
カラシティー 5試合3勝0敗 防0.79 11.1回3安打11奪三振1失点
石山泰稚 7試合1勝0敗5S 防0.00 6.2回5安打6奪三振0失点
首位に立つ東京ヤクルトだが、飛び抜けた打撃成績を残す選手はそれほどいない。バレンティンの打率.308、4本塁打が目を引くところ。一方で投手陣、特に救援陣の働きが目立つ。カラシティーは中継ぎとして5試合に投げ、12球団トップの3勝をマーク。6月9日のオリックス戦は2番手で5回1安打無失点と好投した。石山も5セーブを記録し、防御率0.00を維持している。
2位西武(7勝4敗)
山川穂高 11試合46打数16安打5本塁打14打点 .348
秋山翔吾 11試合50打数19安打3本塁打12打点 .380
菊池雄星 2試合2勝0敗 防0.00 13回5安打12奪三振0失点
西武はチームの核の活躍が際立つ。主砲の山川は12球団トップの5本塁打、14打点をマークし、打率も.348と高い。リードオフマンを担う秋山も打率.380、3本塁打12打点の好成績。左肩の故障から復帰したエース菊池も2試合に先発して2勝0敗、防御率0.00と申し分のない働きをしている。
3位ソフトバンク(7勝4敗)
柳田悠岐 11試合42打数12安打4本塁打9打点 .286
中田賢一 2試合2勝0敗 防2.03 13.1回9安打16奪三振3失点
中村晃 11試合41打数13安打0本塁打1打点 .317
森唯斗 7試合0勝0敗6セーブ 防1.29 7回8安打7奪三振1失点
交流戦史上ただ1人、2度のMVPを獲得しているのが柳田悠岐。今季も打率.286はやや物足りないながら、4本塁打9打点をマークしており、ここからの巻き返しが期待される。投手陣では先発の中田が2戦2勝と勝ち頭となり、サファテの代役で守護神を務める森は6セーブをマークしている。
DeNAは筒香、宮崎、神里と打者陣の活躍が目立つ
4位ロッテ(6勝5敗)
荻野貴司 11試合47打数20安打0本塁打1打点 .426
角中勝也 11試合41打数17安打1本塁打9打点 .415
有吉優樹 2試合1勝0敗 防0.71 12.2回9安打7奪三振1失点
石川歩 2試合2勝0敗 防1.23 14.2回10安打5奪三振2失点
松永昂大 9試合0勝0敗6H 防1.29 7回3安打4奪三振1失点
ロッテは数多くの選手が好成績を残している球団と言える。長距離砲のいない打線ながら、荻野貴が打率.426、角中が.415をマークして打線を牽引している。投手陣では先発の石川が2勝、防御率1.23をマークし、有吉も防御率0.71。中継ぎの松永が9試合で6ホールドと奮闘している。
5位広島(6勝5敗)
會澤翼 10試合29打数12安打3本塁打7打点 .414
野間峻祥 11試合43打数16安打1本塁打8打点 .372
大瀬良大地 2試合2勝0敗 防1.93 14回13安打16奪三振4失点
貯金1の広島は正捕手の會澤が打撃面でも結果を残している。打率.414をマークするだけでなく、3本塁打を放っている。また外野でスタメン出場を続けている野間も打率.372のハイアベレージを記録。先発でハーラートップの9勝をあげている大瀬良は2勝とチームを牽引している。
6位オリックス(6勝5敗)
吉田正尚 11試合45打数16安打2本塁打5打点 .356
増井浩俊 6試合0勝0敗1H4S 防0.00 7回2安打4奪三振0失点
金子千尋 2試合1勝1敗 防2.08 13回11安打8奪三振3失点
広島と並び貯金1としているオリックスで打線を引っ張っているのは吉田正。.356と高い打率をマークしており、9試合連続安打中としている。守護神の増井はここまで無失点で4セーブをマーク。金子千尋も1勝1敗ではあるものの防御率2.08と好投している。
7位DeNA(5勝5敗)
筒香嘉智 10試合32打数14安打4本塁打10打点 打率.438
神里和毅 9試合29打数12安打2本塁打6打点 打率.414
宮崎敏郎 10試合34打数14安打3本塁打7打点 打率.412
DeNAは打者陣の活躍が際立つ。筒香はチームトップの4本塁打10打点、打率.438と主砲の働きを十二分に果たし、宮崎も打率.412、3本塁打と好成績。また、ルーキーの神里も打率.414のハイアベレージをマークしており、チームに大きく貢献している。
東京ヤクルトが首位を走り、埼玉西武、福岡ソフトバンクが追う今季の交流戦。果たして最高勝率に輝く球団はどこか、勝ち越すのはセ・パどちらのリーグになるか。そして、勝ち越しリーグの勝率1位球団から選ばれる映えあるMVPを手にするのは、誰になるだろうか。
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