野球において1プレーで最も得点が入る満塁本塁打。その一発で勝利を手繰り寄せ、球場が大いに沸くなか、打たれたチームには重い空気が流れるなど、一振りで球場の空気を一変させる力を持つ。今回は、2022シーズンのパ・リーグで生まれた満塁本塁打全7本を動画とともに振り返っていこう。
ガルビス 来日初アーチ
◇福岡ソフトバンク対北海道日本ハム 第1回戦(3月25日・PayPayドーム)
今季は開幕早々、満塁弾が飛び出した。
1点ビハインドで迎えた8回裏、松田宣浩選手と三森大貴選手の安打と四球で満塁とすると、ガルビス選手がライトスタンドへ来日初となる一発を放ち逆転。直後の9回表を無失点に抑え、開幕戦を勝利で飾った。
柳田悠岐 試合を決定づける勝ち越しの一発
◇福岡ソフトバンク対オリックス 第7回戦(5月3日・PayPayドーム)
同点で迎えた6回裏に死球と三森選手、牧原大成選手の連打で満塁のチャンスを得ると、柳田悠岐選手がオリックス・山本由伸投手から確信の一発を放つ。この本塁打で得た4点が決勝点となり、チームは勝利した。
マルモレホス 文句なしの二重丸
◇千葉ロッテ対東北楽天 第11回戦(5月19日・ZOZOマリンスタジアム)
この日はレアード選手、マーティン選手にそれぞれソロを浴び、2点のリードを許す展開に。しかし5回表に西川遥輝選手の6号ソロで1点を返すと、7回表に佐々木千隼投手が4四球と乱調し、押し出しで2点を得る。なおも満塁が続き、小野郁投手に交代したところでマルモレホス選手がライトスタンドへ5号満塁弾。この回一挙6得点で勝負を決めた。
今川優馬 キャリア初のグランドスラム
◇北海道日本ハム対千葉ロッテ 第14回戦(7月24日・札幌ドーム)
1回裏、木村文紀選手の安打と2四死球で満塁とすると、4番・今川優馬選手がレフトスタンドへライナー性のホームランをたたき込む。キャリア初となるグランドスラムに今川選手も満面の笑みを見せた。
ガルビス 今季2度目の満塁ホームラン
◇東北楽天対福岡ソフトバンク 第16回戦(8月23日・楽天生命パーク宮城)
初回から福岡ソフトバンクの打線が爆発し、7点リードで迎えた6回表。グラシアル選手の二塁打と2四死球で満塁とすると、ガルビス選手がライトスタンドへ2号満塁弾を放った。開幕戦以来の一発はまたしてもグランドスラムに。チームはこの日、今季最多に並ぶ20安打15得点で大勝した。
島内宏明 豪快な勝ち越し本塁打
◇東北楽天対オリックス 第20回戦(9月1日・楽天生命パーク宮城)
初回から点の奪い合いとなった本試合。1点ビハインドで迎えた4回裏に3連打で同点に追い付く。その後もチャンスは続き、満塁の場面で島内宏明選手が豪快に振り抜いた打球はライトスタンドへ。一気に流れを引き寄せる一発となった。
清宮幸太郎 プロ初満塁弾
◇北海道日本ハム対千葉ロッテ 第24回戦(9月27日・札幌ドーム)
今季も残り数試合となったこの一戦で清宮幸太郎選手が魅せた。
2回裏に今川選手の安打と2四球で満塁とし、清宮選手が初球を捉えると、打球はライトスタンドへ飛び込むプロ初の満塁ホームランに。キャリアハイとなる18本塁打を記録した今季の最後の一発は、このグランドスラムだった。
【番外編】柳田悠岐 バースデー弾
◇福岡ソフトバンク対埼玉西武「2022 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージ第2戦(10月9日・PayPayドーム)
ペナントレース外ではあるが、この一発を取り上げないわけにはいかない。
勝てばファイナル進出となる大事な一戦が行われたのは柳田選手の誕生日。チャンスが回ってきたのは3回裏、3四死球で満塁となると柳田選手は低めの球をすくい上げてライトスタンドへ運んだ。勝利を引き寄せるバースデーアーチに球場は大いに沸きあがった。
文・北村彩実
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