本拠地の声援を一身に受け、エースが躍動した。楽天・則本昂大投手が4日、Koboパーク宮城で行われた福岡ソフトバンク戦に先発し、6回1失点で今季初勝利。2009年以来、球団最多タイの4連勝を飾り、リーグ単独首位に躍り出た。
負けなしの3連勝同士の対決。しかも楽天の本拠地開幕戦、先発はWBC帰りの則本投手対千賀投手という好カードとあって、球場には2万6162人(満員)のファンが詰めかけた。
エースの則本投手に、WBCで大活躍を果たした千賀投手。息詰まる投手戦が予想されたが、好調の楽天打線が相手右腕のペースを狂わせた。3回2死3塁、ペゲーロ選手の打席、千賀投手の5球目が暴投となった間に、三走の藤田選手が猛ダッシュ。ヘッドスライディングで見事に先制点をもぎ取った。さらに4回、聖澤選手、嶋選手の適時打で2点を追加すると、2死1,3塁で茂木選手が右翼席へ3ラン。「心強い打撃陣が援護をしてくれました」と則本投手もうなる猛攻で、千賀投手から7点をもぎ取った。
エースには十分すぎる援護点。6回1失点8奪三振と先発としてしっかり仕事を果たし、マウンドを降りた。
夢だった日本代表に選ばれ、WBCを戦った。本職の先発と、奪三振能力の高さから守護神としても期待された右腕だったが、3月12日のオランダ戦に抑えとして9回から登板するも、リードを守り切れず同点とされるなど、国際大会ではふがいない結果に終わった。
だが、悔しいままで終わる男ではない。変に力むこともなく、強力打線にも的を絞らせない投球できっちりチームへ白星を届けた。「勝つことだけを考えていました。もう少し長いイニングを投げたかったけど、粘り強く投げられました」と、ヒーローインタビューで笑顔。4年連続2桁勝利を続けているエースが、今季も無難なスタートを切った。
5日に球団初の開幕5連勝に挑むチームだが、心配なのが嶋選手の負傷退場だ。6回、打者・デスパイネ選手のスイングしたバットが、後頭部に当たって担架で運ばれた。試合後の梨田監督は「病院で診てもらっている。脳しんとうよりも首がちょっと。あした(5日の出場)は難しい」と表情を曇らせた。ここまで4試合すべてスタメンマスクの正捕手のアクシデントは痛いが、一丸となって新記録に挑む。
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