◇福岡ソフトバンク対中日 ウエスタン・リーグ公式戦第30回戦(1日・タマホームスタジアム筑後)
今季限りで福岡ソフトバンクを退団する松田宣浩選手。「4番・三塁手」で先発出場すると、第1打席に右安打をマーク。7回表に守備で交代し、福岡ソフトバンクでの試合出場を終えた。
チームは延長戦の末、2対3で惜しくも敗戦。試合終了後には福岡ソフトバンクでの17年間を振り返る映像、チームメイトからのビデオメッセージが流れた。以下、松田選手のあいさつ全文。
「今日はたくさんの方にここタマスタ筑後にお集まりいただき、ゲームは最後まで頑張ったんですけど、勝利を届けることができなかったです。そして、一人の退団する選手のために、このような素晴らしい最後の舞台を用意していただいた球団関係者のみなさん、本当にありがとうございました。
小久保監督、コーチのみなさん、スタッフのみなさん、そして選手のみなさん、そしてホークスファンのみなさん、本当に17年間ありがとうございました。
約3週間という期間、若い選手とともに野球を、野球というスポーツを真剣に取り組んできました。二つ感じたことがありました。まだまだ野球が大好きだということ。もう一つは、まだまだ体が元気だということです。この二つに気づき、自分は今回このような決断をしました。
プロ野球人生の中で決断するときには、必ず王会長の存在がありました。プロ野球に入ったときは監督として、色々なことを学び、色々なことを教えていただきました。2015年のオフにメジャーリーグ移籍か、ホークス残留か迷っていたときに、王会長からとにかく来年もホークスでプレーをするという温かい言葉をいただきました。
今回も、引退するか、退団するかという二つで迷っていたなかで、王会長から『好きな野球があるんだったら、最後の最後までやり切りなさい』という温かいお言葉をいただきました。本当に王会長の存在がありがたかったです。王会長、ありがとうございました。
退団会見のときになかなか言えなかったことで、このユニフォームを着て一番印象に残る一打は、やはり2014年の最終戦でリーグ優勝を決めた一打です。打席に入る前からのすごい歓声も覚えていますし、バットに当たってから左中間にボールが飛んだあの感触というのも今でも覚えています。そして、サヨナラヒットが決まり、優勝してみんなが自分のところに来てくれて、喜んでいるその喜びも今でも忘れません。
本当にホークスでは色々な経験をさせていただきました。そして2015年『熱男』との出会いです。工藤監督に、当時スローガンで『熱男』という言葉を選んでいただきました。そこから自分の言葉にして約7年、本当に『熱男』という言葉とともに、ここまで成長することができました。
今でも『熱男』という言葉は自分の中で一番好きな言葉でもあります。次の舞台でも『熱男』という言葉は連れて行こうかなと思っています。そして『熱男』という言葉とともに、がんばっていきたいと思います。
ファンのみなさんにお願いがあります。僕が若いときから今日までずっと温かい声援をしていただき、ここまで成長することができました。ホークスには若い選手がたくさんいます。来シーズン以降も、若い選手の成長はファンのみなさんの応援で決まってくると思います。若い選手が成長するために、来シーズンも温かい声援をよろしくお願いします。
最後になりますが、今回このような舞台を用意していただいた関係者のみなさん、ホークスファンのみなさん、そして福岡のみなさん。そして、松田宣浩を応援していただいているすべてのみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。本当に17年間、ありがとうございました」
あいさつの後には、小久保裕紀二軍監督、工藤公康前監督から花束が贈られ、その後場内を一周。タマホームスタジアム筑後に詰めかけた満員のファンに別れを告げ、マウンドで「5」回宙に舞った。
◇松田宣浩選手 主な記録
初出場 2006年3月25日 千葉ロッテ戦
初安打 2006年3月28日 西武戦
初打点 2006年4月5日 北海道日本ハム戦
初本塁打 2006年4月22日 オリックス戦
1000安打 2015年6月9日 阪神戦
1500安打 2019年3月29日 埼玉西武戦
300本塁打 2021年9月29日 埼玉西武戦
ベストナイン(2018年)
文・東海林諒平
記事提供: