メジャー13年、ヤクルトでも活躍したレックス・ハドラー氏
二刀流の活躍で全米を沸かせているエンゼルスの大谷翔平投手。150メートル以上の大飛球を連発する試合前の豪快なフリー打撃もアメリカで話題となっており、敵地でもファンを集めている。
大谷の打撃ショーを初観戦したエンゼルスOBはその破壊力を「強烈」「感心させられる」と脱帽した上で、通算本塁打465本のメジャー殿堂入りのスラッガーに例えている。
メジャーデビュー1年目で様々な逸話を残している大谷。今やフリー打撃はファン必見のショーとなっている。
5月8日の敵地ロッキーズ戦の舞台となったクアーズ・フィールドでは試合前のフリー打撃で3階席最後方の史上初という150メートルの長距離弾を放った。同22日の敵地ブルージェイズ戦のフリー打撃でもロジャーズ・センターの右中間5階席に豪快に打ち込んでいる。
6月4日(日本時間5日)の本拠地ロイヤルズ戦での敵地中継でも、試合前の「オオタニ劇場」は話題になっていた。テレビ局「FOXスポーツ・カンザスシティ」では6回一死走者なしから大谷が代打で登場すると、解説を務めたエンゼルスOBのレックス・ハドラー元外野手が「彼の打撃練習を初めて見るチャンスがありました。彼のフリー打撃はここ数か月で本当に有名になってしまいました。彼の打撃練習には本当に感心させられましたよ」と語り始めた。
メジャーで13年間、1993年にはヤクルトでも活躍したハドラー氏だが、エンゼルスタジアムでの大谷のフリー打撃は“初体験"。そして、細身のカラダから繰り出すバットスピードのあまりの速さに刮目していた。
「彼は6フィート4(身長193センチ)、200ポンド(体重92キロ)。すらっとしていますが、バットは強烈です。ストライクゾーンで凄まじいバットスピードを見せます。時速60マイルの打撃練習のボールをですよ。非常に感銘を受けましたよ」
こう振り返ったハドラー氏はオオタニ劇場を見守った選手との会話を紹介。「打撃練習をみている時に、2、3人の実績のあるメジャーリーガーもいました。誰に似ているか、と質問しましたが、(誰も)いないと言っていましたね。私の頭に唯一よぎったのは、デイブ・ウィンフィールドぐらいでしょうか。右打席からですが、彼のバットを振るあの姿ですよ」
ハドラー氏はウィンフィールド氏に重ね合わせるも、2人には体格の差が…
大谷の脅威のスイング。メジャーリーガーが例えるべき存在がいないと語る中、ハドラー氏には現役時代に対峙した名手の名前を思い出した。その人物はパドレスやヤンキース、エンゼルスで活躍したスラッガーのウィンフィールド氏。打点王1度、シルバースラッガー賞6回を誇る名手はメジャー22年間のキャリアで465本塁打を放ち、2001年にはメジャー殿堂入りを果たしている。
左右で打席は違えど、豪快なスイングに共通点を見出したハドラー氏だったが、大谷とウィンフィールドの体格の違いから驚きを募らせている。
「しかし、彼は6フィート6(身長198センチ)で230ポンド(体重約100キロ)でしたからね」
学生時代にバスケットボールでも活躍したウィンフィールド氏。体格で大谷を遥かに上回るレジェンドに並ぶようなスイングスピードに、ハドラー氏は大きなインパクトを感じた様子だった。
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