現場指揮官の理解もあってこそ。千葉ロッテのファンサービス

パ・リーグ インサイト マリーンズ球団広報 梶原紀章

2016.3.29(火) 00:00

千葉ロッテマリーンズ ※球団提供
千葉ロッテマリーンズ ※球団提供

 今年も千葉ロッテマリーンズは斬新なファンサービスを推し進めていく。試合の合間には「YOGAタイム」を実施。ヨガのインストラクターがビジョンから簡単なポーズをスタンドのファンにレクチャーをしている。「毎月ファン感謝デー」というコンセプトの下、昨年から実施をしている「マリンフェスタ」は今年も健在。今シーズンは4月24日を皮切りに6回。試合前から試合後まで、選手たちがさまざまなファンサービスに取り組み、ファンをもてなす。その他にもバーベキューが楽しめる「バド・バーベキューガーデン」。ホームベース真後ろのグラウンドレベルに位置する「サントリーマスターズドリームシート」が誕生するなど、新シートも目白押し。マリーンズは今年もさまざまな趣向を凝らしファンへのおもてなしに、まい進する。

「野球で勝つことはもちろん、いろいろなファンサービスでお客様に喜んでもらうことはとても大切。その想いは球団フロントだけではなく、我々も、しっかりと理解し、考えていかないといけないと思う」

 現場を任されている伊東勤監督が、そう話すようにこれらのさまざまな企画はチーム側の理解があって成り立っている。指揮官だけではなく、選手も積極的。岡田幸文選手会長、鈴木大地キャプテンは毎月、フロントファンサービス担当と打ち合わせを行い、積極的な意見交換を行い、企画は作り上がっている。中には選手のアイデアが元となり、完成した企画も多数ある。これらはチームの指揮を執る伊東監督が率先して、チーム全体にその大事さを伝えることによって出来上がった土壌ともいえる。

「解説者時代にメジャーリーグに行く機会があった。いろいろな趣向を凝らした企画に、『これは日本にも取り入れたらいいのになあ』と思ったこともたくさんあった。韓国でコーチをした時もいろいろと勉強になることがあった。それらを見てきて思ったことは、いろいろと積極的に行うべきだということ。そして自分もできることはどんどんしていきたいということ」

 マリーンズの監督に就任した2013年から、さまざまな提案を行い、球団からの要望にも応えてきた。今でこそ当たり前で他の球団にも見られる光景だが、勝ち負けに関係なく、試合後に一塁側ベンチ前にチーム全員で並び、ファンにお礼の挨拶に行うようになったのも、その年から。マリーンズ公式ユーチューブチャンネルにアップされるさまざまなチーム関係の動画もスタートした。

 時には指揮官の提案でアップされる貴重な動画もある。今年の開幕戦では、試合開始前直前のロッカーでのミーティングという、なかなか見ることができない映像の撮影許可を出し、試合後すぐにアップされ話題となった。開幕前セレモニーで選手、監督、コーチだけではなく、フロントメンバーやスタッフも整列するようになったのは指揮官のアイデア。解説者時代、メジャーの開幕戦で見た光景に感銘を受けて、提案をした。アメリカで目にしたものは、新鮮で感動の連続だった。

「タンパには球場内に水槽があって、エイが泳いでいたりしてね。セントルイスで見たオールスターも感動した。街、州をあげて、お祭りムード。球場だけではなく、街全体でベースボールのお祭りをやっている感じだった。『日本もこんな風になればいいなあ』と思ったね」

 タンパやセントルイス。その他にもニューヨーク、フィラデルフィア、サンディエゴなどさまざまな都市でメジャーを見て回った。現役、ライオンズの監督時代にはグラウンド内で繰り広げられている眼の前の戦いに集中をしていたが一度、ユニホームを脱ぎ、解説者として渡米したことで、本場の世界観に深く考えさせられるものがあった。いつかその経験を生かしたいと考えていた。

 月1回のファン感謝デーをテーマに行うマリンフェスタも、指揮官の理解なしには実現はできない。試合前からトークショー、サイン会、握手会など、選手たちはスタジアムのさまざまなところでファンサービスを行うからだ。

「マリンフェスタは、とてもいいことだと思ったよ。そういえば韓国でコーチをしていた時も、選手たちがスタンドまで足を運んで挨拶をしにいっていたことがあった」

 2016年シーズン。千葉ロッテマリーンズはリーグ優勝を目指しながら、さまざまなファンサービスも推し進めていく。斬新なものから定番のもの。新しいこと。QVCマリンフィールドが、ファンにとって、非日常的な空間でさまざまなストレスから解放され、笑顔になれる場所になることを目指す。そのために現場、フロントが一体となり、企画を練り上げる。それがマリーンズの良さだ。

マリーンズ球団広報 梶原紀章

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