北海道日本ハムの2017年シーズンは、3月31日に本拠地札幌ドームで開幕する。昨季は、福岡ソフトバンクとの最大11.5ゲーム差をひっくり返し、セ・リーグ覇者の広島をも打ち砕き、見事日本一に輝いた。パ・リーグのすべてのチームに勝ち越し、所属選手が打点王、新人王、リーグMVPのタイトルを獲得するなど、劇的で華々しいシーズンとなった。
今季、栗山監督が指揮を執りはじめてから、6年目のシーズンに突入する。若手を積極的に起用する栗山イズムが徐々に浸透し、実を結びつつあるのは間違いない。ここでは、今季の北海道日本ハムが2連覇を目指すうえで、重要な役割を果たすキーマンを探っていきたい。
まずは野手陣だ。内野陣は昨季、一塁手の中田選手、二塁手の田中賢選手、遊撃手の中島卓選手、三塁手のレアード選手、4人全員が揃って規定打席に到達。盤石の布陣だが、彼らのバックアップ要員の不足は懸念材料だ。春季キャンプやオープン戦では、現在の主力選手を脅かすレベルには至らなかったものの、一塁を2年目の横尾選手、二塁や遊撃をルーキーの石井一選手、三塁を捕手登録の近藤選手など、フレッシュな顔ぶれが守った。長いシーズン中、その経験が生きる日が訪れる可能性はある。
一方の外野陣は、長らく不動のレギュラーとして君臨した陽選手が巨人に移籍。ぽっかりと空いたポジションを巡る争いは熾烈なものになると予想される。西川選手が中堅手に定着しているため、主に左翼と右翼がポジション争いの対象だ。近藤選手、大卒ルーキーの森山選手などが、定位置確保に向けたアピール合戦を繰り広げている。
投手陣では、2012年のパ・リーグMVPであり、その年のチームの日本一に貢献した吉川光投手が、トレードによってチームを去った。昨季北海道日本ハムは4人の投手が2桁勝利をマークしたが、規定投球回に到達したのは有原投手ただ1人。シーズンの途中に、守護神から先発に配置転換となり、両リーグ16年ぶりの10勝10セーブを記録した増井投手も、今季からは抑えに再転向する。先発ローテーションの再構築は必須となるだろう。
投手陣の鍵となるのは、実績のある中堅投手だ。斎藤佑投手は苦難のシーズンが続く。昨季は白星を挙げることができなかったが、背番号が「1」になったことがどのように影響するか。いずれも2014年に結果を残しながら、昨季怪我に悩まされ、結果が残せなかった浦野投手、中村勝投手は、今季が勝負のシーズンとなる。上沢投手は、2014年に135イニング以上を投げ、8勝8敗の成績を残した。昨季は手術の影響で一度も登板は叶わなかったが、まだ23歳と若く、オープン戦ではブランクを感じさせない快投を見せている。
ドラフトやトレードなどで獲得した新しい戦力にも注目が集まる。巨人から移籍した大田選手は、残念ながら開幕前に怪我で離脱となってしまったが、春季キャンプで大器の片鱗は見せつけた。また、インディアンスから移籍した村田投手の存在も大きな話題となっている。紅白戦やオープン戦ではさすがの投球を披露しており、アメリカのマウンドも経験した右腕が、日本一のチームに化学反応を起こすことができるだろうか。
北海道日本ハムの最大の魅力は、なんといっても若手の積極起用だ。高梨投手は昨季10勝を挙げ、新人王に輝いた。今季は規定投球回に到達し、さらにチームに貢献したいところ。野手では横尾選手が注目だ。1年目の昨季は2軍でリーグ2位の15本塁打を記録したが、層の厚い内野陣に割って入ることができるだろうか。
若いメンバーを中心に、昨季は日本一に輝いた北海道日本ハム。彼らを率いる栗山監督は、まだまだ発展途上のチームと言う。今季はファンとともに大志を抱くという意味を込めた「F-AMBITIOUS」をスローガンに、さらなる高みを目指す。
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