28日のファーム降格後は3試合で3本塁打
北海道日本ハムの清宮幸太郎内野手がファームで“無双”している。5月31日、西武第二球場で行われたイースタンリーグ西武戦に先発出場した清宮は第3打席、西武期待の右腕である高橋光成から中堅バックスクリーンへの本塁打を放ち、これがイースタンリーグ単独トップとなる7号ソロとなった。
1軍での苦労は、確実に成長の糧となっているようだ。5月2日の楽天戦からプロ初の1軍昇格を果たした清宮。新人記録となるデビュー戦から7試合連続安打を放ち、7試合目の安打はプロ1号本塁打という華々しいプロとしての1歩目を踏み出した。
だがその後は21打席連続無安打となるなど、1軍の投手相手に大苦戦。21試合で67打数12安打1本塁打2打点、打率は.179と低迷し、ついに28日に1軍登録を抹消された。
悔しい思いをすることとなった清宮だが、降格後すぐに結果を残すところが凄いではないか。29日の同リーグ西武戦でいきなり2本塁打。1本目は、こちらも西武期待の右腕で2016年のドラフト1位今井達也から、2本目は福倉健太郎から放った。しかも5打数4安打2本塁打5打点の大当たり。翌30日には本田から中前安打と、期待の若手、そして1軍経験のある投手から安打、本塁打を次々に放ったことになる。
これで巨人の和田恋、楽天の岩見雅紀、日本ハムの森山恵佑に1本差をつけて、リーグ単独トップの7本目の本塁打となった。ウエスタン・リーグでも最多はバティスタの6本塁打で、清宮はファーム12球団でもトップになった。
17試合で7本塁打は、他選手を遥かに凌駕する
もはや、2軍では1人次元が違うのかもしれない。6本塁打の4選手の今季のファームでの成績はこうなる。
巨人・和田恋 39試合154打数52安打6本塁打38打点.338
楽天・岩見雅紀 39試合114打数37安打6本塁打21打点.325
日ハム・森山恵佑 39試合150打数40安打6本塁打28打点.272
広島・バティスタ 22試合86打数21安打6本塁打16打点.244
日ハム・清宮幸太郎 17試合62打数17安打7本塁打18打点.274
1軍で昨季11本塁打を放ったバティスタはさておき、和田、岩見、森山とは圧倒的に試合数、打数が少ない。わずか17試合で7本もの本塁打を放っている。この3選手が6.5試合につき1本塁打のペースであるのに対し、清宮は3.1試合に1本。その力は数字から見ても、2軍のレベルを凌駕している。
そのペースは、広島の怪力打者として知られるバティスタ以上である。打率はまだ.274とそれほど高くなく、確実性というところではやや物足りない清宮。だが、こと本塁打となれば、やはり、高卒ルーキーのレベルにはないようだ。
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