全日程を終えたオープン戦。パ・リーグの戦いぶりを振り返る

パ・リーグ インサイト

2017.3.27(月) 00:00

26日で、オープン戦の全日程が終了した。各球団、およそ20試合を戦った中でパ・リーグ球団の結果を振り返ってみたい。

12球団の順位で、上位6チームに、千葉ロッテ、福岡ソフトバンク、オリックス、埼玉西武、北海道日本ハムの5球団が入るなど、近年の交流戦等の成績同様、パ・リーグ球団の健闘が目立った。

首位は千葉ロッテ。18試合で13勝2敗3分、勝率.867という驚異的な数字で駆け抜けた。中でもチーム防御率1.46という数字が輝く。開幕投手・涌井投手は12球団トップタイの3勝、中継ぎ陣も安定感を示した。福岡ソフトバンクに移籍したデスパイネ選手の穴が心配されたが、新外国人のダフィー選手が4本塁打、15打点と“2冠"の活躍。こちらも新外国人・パラデス選手も4番として3割の打率を残すなど、攻撃力にも期待を抱かせる。

2位は福岡ソフトバンク。18試合で10勝5敗3分。毎年の優勝候補は、無難にオープン戦を終えた。成績で目を見張るのは31という盗塁数。明石選手、今宮選手が「5」、柳田選手、福田選手、上林選手が「4」を記録した。盗塁数は「0」だったが、かつての盗塁王、本多選手もいる。中村晃選手がパ・リーグではトップの打率.370と、絶好調。WBCで不在だった内川選手、松田選手、新加入のデスパイネ選手が打線の軸となり、俊足選手たちが引っ掻き回せば、破壊力は抜群だ。

3位は9勝5敗2分のオリックス。12球団でも千葉ロッテに次ぐ防御率2.04と健闘した。金子千尋投手、西投手の2枚看板に、ディクソン投手、コーク投手の外国人コンビ、松葉投手も元気で、平野投手もWBCで状態の良さをうかがわせた。打線の柱だった糸井選手が阪神に移籍したことで、大幅な戦力ダウンが懸念されているが、投手力が安定すれば不安は覆せる。

4位の阪神を挟み、5位は埼玉西武。13試合で8勝5敗。こちらも投手陣を支えた岸投手が楽天に移籍。パンチ力が魅力の森選手が骨折による離脱と不安要素もあるが、ワールドベースボールクラシック(WBC)で侍ジャパン入りした秋山選手をはじめ、ミスター本塁打王の中村選手、メヒア選手、浅村選手ら実績のある選手は多い。エースとして期待される菊池投手を軸に、2015年のドラフト1右腕・多和田投手がどこまで飛躍できるかで、上位争いに食い込む可能性は十分ある。

6位は昨年日本一の北海道日本ハム。20試合で11勝7敗2分だった。チームの浮沈のカギを握るのは、投打において大谷選手。足首の不安から侍ジャパンを辞退し、その後の調整も心配されたが“打"ではオープン戦首位の4本塁打。あとは165キロピッチャーとして、いつ、どのタイミングでマウンドに上がるかだろう。絶対的主砲の中田選手もWBCで頼もしさをみせた。昨年15連勝を記録し、一気に頂点まで上り詰めたチーム力は抜群。終盤にはDHを解除し、大谷選手が抑えとして登板することもあった。そんな魅せる“栗山采配"にも注目だ。

12球団中8位だが、楽天は6勝9敗2分と、パ・リーグで唯一、勝率が5割を切った。打率.215、防御率3.44はともにパの中では最下位。しかも26日に、開幕投手の岸投手がインフルエンザで離脱したことが発表されるなど不安材料は多い。WBCから帰ってきた則本投手、松井裕投手を中心に投手陣を引き締め、チームに勢いを生むような若手や助っ人たちの大爆発に期待したい。

各球団、休養と最終調整を経て、31日の開幕に備える。今年はWBCもあってチームの顔となる選手はほとんど出場していない。とはいえ、オープン戦の成績もこれもひとつの判断材料だ。このままの勢いを持続させるチーム、期待を裏切るチーム、それぞれどういう戦い方をしていくのかを、注目していきたい。

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