埼玉西武は首位を走るも、助っ人勢の働きは…
プロ野球は27日に各地で行われた6試合でリーグ戦がひと段落となった。29日からはセパ球団が対戦する交流戦がスタートし、6カード各3試合ずつ計18試合をそれぞれ異なるリーグの球団と戦っていく。
パ・リーグはここまで開幕ダッシュに成功した埼玉西武が首位の座を守っている。2位に北海道日本ハムがつけ、昨季の日本一福岡ソフトバンクは勝率5割の3位と苦戦している。オリックスが借金1、千葉ロッテも借金3で、上位とそれほど差は開いていない。借金12の楽天だけが遅れを取っている。
各球団がそれぞれオフに補強を行い、戦力を整備して臨んだ今シーズン。ここまで各球団それぞれ45試合前後を戦ってきているが、その中で助っ人外国人のここまでの活躍はいかほどだっただろうか。以下に見ていってみよう。球団と選手名の後ろに記した点は、期待値と現時点での成績を勘案して5点満点の5段階評価とした。
◯1位:埼玉西武(27勝18敗0分)2点
ニール・ワグナー投手(3点)
18試合2勝1敗0S2H 防御率2.60
ファビオ・カスティーヨ投手(3点)
8試合2勝3敗0S0H 4QS 防御率4.50
ブライアン・ウルフ投手(2点)
4試合1勝1敗0S0H 2QS 防御率7.47
デュアンテ・ヒース投手(3点)
2試合0勝0敗0S0H 防御率4.50
エルネスト・メヒア内野手(1点)
26試合70打数17安打2本塁打7打点 打率.243
1軍出場なし
郭俊麟投手
ワグナーが勝利の方程式に入り、まずまずの数字を残している。開幕直後、好投していたカスティーヨは徐々に数字を落とし、ウルフもここまでは防御率7点台となっている。メヒアもスタメンが外れる試合が多く、助っ人が活躍しているとは言い難い。それでいて首位に立っているのだから、日本人の活躍が目立っているということだろう。
ハムのマルティネスは8試合中7試合でQS達成と安定感抜群
◯2位:北海道日本ハム(27勝20敗0分)3点
マイケル・トンキン投手(4点)
20試合2勝0敗10S4H 防御率2.29
ニック・マルティネス投手(4点)
8試合4勝4敗0S0H 7QS 防御率2.68
ブライアン・ロドリゲス投手(1点)
2試合0勝2敗0S0H 0QS 防御率20.25
オズワルド・アルシア外野手(3点)
31試合108打数31安打3本塁打12打点 打率.287
ブランドン・レアード内野手(3点)
41試合152打数37安打9本塁打20打点 打率.243
トンキンは開幕直後はセットアッパー、そして途中からはクローザーとなり2勝0敗10セーブ4ホールドと上々。マルティネスも4勝ながら、8登板中7試合でQS達成と安定感が光る。テンポ良く、球数も少ない好投手だ。アルシア、レアードはまずまずの成績だが、期待度からすれば、やや物足りないか。開幕投手を任されたロドリゲスはここまでは期待外れ。
◯3位:福岡ソフトバンク(23勝23敗0分)2点
リバン・モイネロ投手(2点)
22試合3勝0敗0S7H 防御率4.26
リック・バンデンハーク投手(3点)
8試合3勝4敗0S0H 4QS 防御率5.59
デニス・サファテ投手(2点)
6試合1勝0敗0ホールド5セーブ 防御率3.00
アルフレド・デスパイネ外野手(2点)
46試合162打数35安打12本塁打29打点 打率.216
ジュリスベル・グラシアル内野手(3点)
12試合30打数9安打0本塁打1打点 打率.300
1軍出場なし
ロベルト・スアレス投手
ここまで苦戦を強いられている王者。その要因は助っ人にもある。まず何と言っても守護神サファテの離脱が痛い。わずか6試合の登板で股関節の手術のために離脱、米国でリハビリを行なっている。
昨季セットアッパーとして活躍したモイネロも4試合連続失点を喫するなど、防御率4点台。バンデンハークも防御率5点台と昨季までのような安定感はない。デスパイネはここに来て復調気配だが、ここまで打率.216は物足りない。グラシアルも指の骨折で戦線を離れた。
オリックスはロメロ、マレーロの主砲2人の低迷が響く
◯4位:オリックス(23勝24敗1分)2点
アンドリュー・アルバース投手(5点)
8試合6勝1敗0S0H 6QS 防御率2.13
ブランドン・ディクソン投手(1点)
6試合0勝4敗0S0H 2QS 防御率5.52
ステフェン・ロメロ外野手(1点)
47試合173打数36安打8本塁打20打点 打率.208
クリス・マレーロ内野手(1点)
37試合122打数24安打8本塁打19打点 打率.200
助っ人の中ではアルバースが孤軍奮闘している。ここまで8試合に投げて6勝、QSも6試合で達成。防御率2.13と素晴らしくチームの勝ち頭となっている。ディクソンはいまだ未勝利。打線の核として期待されていたロメロ、マレーロも開幕から低空飛行が続き打率2割前後をウロウロしている。
○5位:千葉ロッテ(21勝24敗0分)2点
マイク・ボルシンガー投手(5点)
7試合5勝1敗0S0H 6QS 防御率2.11
タナー・シェッパーズ投手(3点)
21試合0勝1敗0S9H 防御率4.05
チェン・グァンユウ投手(1点)
4試合0勝1敗0S0H 0QS 防御率8.68
エドガー・オルモス投手(1点)
2試合0勝2敗0S0H 0QS 防御率7.71
マット・ドミンゲス内野手(2点)
13試合28打数9安打6本塁打13打点 .321
1軍出場なし
フランシスコ・ペゲーロ外野手
ボルシンガーがここまで5勝、7試合中6試合でQSと安定した投球を見せている。防御率も2.11と低く、先発陣の柱として活躍している。シェッパーズはセットアッパーを務めるも、防御率4.05はやや不安。オルモス、チェンは期待を裏切っている。
開幕を2軍で迎えたドミンゲスだが、ここに来て打撃の状態を上げてきており、9安打中6本が本塁打という量産ぶり。ここからの活躍に期待したい。
◯6位:楽天(17勝29敗1分)2点
フランク・ハーマン投手(4点)
18試合1勝1敗3S8H 防御率2.12
宋家豪投手(2点)
4試合0勝0敗0S1H 防御率2.70
ゼラス・ウィーラー内野手(2点)
45試合168打数44安打4本塁打15打点 打率.262
ジャフェット・アマダー内野手(2点)
31試合96打数20安打5本塁打12打点 打率.208
カルロス・ペゲーロ外野手(3点)
42試合160打数37安打12本塁打29打点 打率.231
オコエ・ディクソン外野手(2点)
3試合12打数1安打0本塁打0打点 打率.083
1軍出場なし
ジョシュ・コラレス投手
楽天は助っ人勢の出来が苦戦している原因の1つだ。ハーマンは勝利の方程式を担い、現在は不振の松井裕樹に替わって守護神を務めている。悩ましいのは野手陣。序盤、ウィーラー、ペゲーロ、アマダーのトリオが総じて不振。ウィーラーとペゲーロは徐々に復調気配が見られるが、アマダーに替わって昇格したディクソンもまだ1安打。浮上には助っ人の力が欠かせないだけに、本調子となるのが待ち遠しい。
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