内野安打を狙って激走も紙一重の差でアウト
エンゼルス大谷翔平投手は25日(日本時間26日)、敵地ヤンキース戦に「5番・DH」でスタメン出場し、3試合ぶりに無安打に終わった。チームは1-2と惜敗したが、8回の第4打席ではヤンキースの剛腕守護神アロルディス・チャップマンと初対決し、見せ場を作った。結果は101.9マイル(約164キロ)速球で遊ゴロに打ち取られたが、この打席でも密かにメジャー自己新記録を更新していたことが明らかになった。
見応え抜群の初対決だった。1-2で迎えた8回2死一塁の第4打席。ヤンキースのアーロン・ブーン監督が異例の采配に出た。「ミサイル」の異名を執る剛球クローザー、チャップマンを回またぎで投入。二刀流封印に並々ならぬ決意を示した。
チャップマンの暴投で2死二塁とチャンスを広げ、4球目には大飛球を左翼ポール付近に飛ばした。2ストライクに追い込まれると、敵地を埋める満員の観衆はスタンディングオベーションを送り、ヤンキースと契約しなった二刀流スターをプレッシャーという形で“歓迎"した。
最後は、カウント2-2から5球目101.9マイル(約164キロ)速球で遊ゴロに打ち取られたが、内野安打をもぎ取ろうと全力疾走で一塁ベースを目指した。紙一重の差でアウトに仕留められたが、大谷はこの猛ダッシュで自己記録更新を果たしたという。MLB公式データ解析システム「スタットキャスト」が専門のデービッド・アドラー記者は自身のツイッターを更新。「ショウヘイ・オオタニは本塁から一塁までの記録は3秒98。チャップマン相手に内野安打寸前だった。これはメジャーリーガーとしての自己最速記録となった」とリポートした。
本塁から一塁までの距離27.431メートルを、大谷は全力疾走で4秒以内で駆け抜けた。アドラー記者は、これが大谷にとってバント以外では今季2度目の4秒切りと報告。エンゼルスの選手でバント以外で4秒以下を記録したのは、2016年5月のマイク・トラウト外野手の3秒95だったと紹介している。一般に一塁までの到達タイムが4秒を切ると「俊足」と言われる。
勝負には敗れたものの、大谷は圧倒的な加速力でインパクトを残した。
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