佐藤隼輔が先発の役割果たす5回2失点も…… 埼玉西武・辻発彦監督が苦言を呈したワケ

Full-Count

2022.4.13(水) 16:34

北海道日本ハム戦に先発した埼玉西武・佐藤隼輔※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
北海道日本ハム戦に先発した埼玉西武・佐藤隼輔※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

勝負の分かれ目となった新庄監督のリクエスト「あそこで1点取れていれば…」

■北海道日本ハム 3対0 埼玉西武(12日・ベルーナドーム)

 埼玉西武は12日、本拠地・ベルーナドームで北海道日本ハムに0-3の零封負けを喫した。ここまで5勝9敗1分の5位と低迷し、最下位の北海道日本ハムとはわずか1.5ゲーム差に。ビッグボスこと新庄剛志監督率いる北海道日本ハムには3月31日の対戦(札幌ドーム)でも初白星を献上しており、対戦成績は2勝2敗の五分となった。

 敵将・新庄監督のリクエストが、勝敗を分けるポイントとなった。埼玉西武打線はこの日、左腕・加藤の前に、6回までは2安打無得点に封じ込められ、二塁も踏めずにいた。それでも、2点ビハインドで迎えた7回に1死一、三塁のチャンスを作り、山田が放った打球は三塁前へのゴロ。三塁走者・外崎が本塁へ滑り込み、一度は「セーフ」の判定。ところが、リプレー検証の結果、判定が覆り、得点は幻となった。

 試合後、辻監督は「あそこで1点が取れていれば、(試合の展開が)変わったかもしれない。山田はラッキーボーイ的なところがあって、何とかしてくれるかと期待したけれど……。あのタイミングはアウトなんだよね」と肩を落とした。結局、加藤から玉井、堀、北山へとつないだ“ビッグボス継投”の前に1点も取れないまま試合終了を迎えた。

 加藤には3月30日の前回対戦で7連打を浴びせて一挙に5点を奪っていた。ところが、この日は「意外にカーブが多くて、ストライクを先行されたので、思い切りいけなかった。加藤にしてみれば、前回やられた思いが強かっただろうしね」と辻監督が唇を噛んだ。

指揮官が求める高いレベル「際どいコースで勝負できるように」

 一方、埼玉西武の先発はドラフト2位ルーキーの佐藤。ドラフト1位の隅田とともに開幕ローテに名を連ねた左腕は、3月29日の対戦(札幌ドーム)では北海道日本ハムを5回無失点に抑え、プロ初登板で初勝利を飾っていた。しかしこの日は初回に3連打で先制点を奪われると、4回にも1死三塁からヌニエスに149キロの速球を左前に弾き返され、適時打とされた。

 5回5安打2失点で降板し、今季2敗目(1勝)を喫した佐藤の投球内容は、先発として最低限の役割は果たしたと言えるだろう。それでも、辻監督はあえて成長を期待し「点の取られ方がちょっとね。加藤と違って、ストライクを先行して投手有利のカウントを作ることができていなかった」と、相手投手を引き合いに出して苦言を呈した。

 指揮官は続けて「追い込んだ時に、勝負球が際どいコースへ行かず、明らかにボールというコースに投げて見逃され、徐々にカウントを悪くしていった。そうなると四球を出したくないから、どうしても制球は甘くなる」と説明。「“はっきりしたボール球”を減らして、際どいコースで勝負できるように、もっと意識を持たなければいけない」と、より高いレベルを求めた。

 埼玉西武は昨季最終盤に北海道日本ハムに抜かれ、そのまま42年ぶりの最下位に終わった。覇権奪回を誓って臨んだシーズンだけに、主砲の山川、森を故障で欠く窮状とはいえ、昨季の二の舞いを演じてはいられない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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