同じ日替わり打順でも…新庄野球と仰木マジックの「違い」 当時知る名コーチが指摘

2022.4.11(月) 06:45 Full-Count 橋本健吾
北海道日本ハム・新庄剛志監督※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
北海道日本ハム・新庄剛志監督※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

開幕ダッシュを決めた福岡ソフトバンク「古くから全体を知っているのはチーム作りの面でも大きい」

 プロ野球のペナントレースが開幕し、パ・リーグは対戦が一回りした。昨年8年ぶりにBクラス(4位)となった福岡ソフトバンクは、主力が怪我で離脱する中でも10勝2敗1分けで首位に立ち開幕ダッシュに成功。オリックス、福岡ソフトバンク、広島で打撃コーチなどを歴任した新井宏昌氏は「藤本新監督はずっとホークスを見てきた指導者。戦力を熟知している」と好調の要因を口にする。

 開幕早々に主軸の栗原が左膝を負傷し長期離脱、さらに主砲の柳田も左肩腱板炎で2軍調整となったが“代役”たちがその穴を埋めている。新井氏は「若手は勢いがついた時はポンポンいくが本来なら計算できない戦力。その中でも自分の“居場所”を取りに行く気持ちが強いが感じ取れます」と言及。

 中堅に入る牧原大、主に二塁を守る三森ら“藤本チルドレン”が3割を超える打率を残し、レギュラー格として存在感を見せており「藤本監督はずっとホークスにいる指導者。2、3軍で共にした今の1軍の選手を知っている。新監督といっても古くから全体を知っているのはチーム作りの面でも大きい」と語る。

 また、開幕戦が新庄ビッグボスの北海道日本ハム戦だったことも勢いを付ける一つの要因。「実績のあった西川、大田、秋吉がいなくなって戦力ダウンの北海道日本ハム。ビジターでも一際注目を集めた新庄監督に燃えるものもあったでしょう。デスパイネはまだいませんが、ホークスは戦力的にも充実している」。

楽天は日本球界復帰2年目の田中将が2連勝「感覚を取り戻しつつある」

 では、昨季25年ぶりにリーグ優勝を果たしたオリックスはどうか。エース・山本が開幕から無傷の3連勝、右肘手術から本格的に戻ってきた山岡ら投手力は申し分ない。その中で「昨年は初めてレギュラーを取った野手の活躍が大きかった」と、まだまだ上積みできる可能性があると感じている。

 新井氏が2019、20年と福岡ソフトバンクの2軍打撃コーチ時代には「杉本、紅林、宗らはファームで打たれた印象がない選手だった。それが1軍のレギュラーとして活躍して驚きもあった。実質2年目となる今年が非常に大事。1年だけじゃなく2、3年続けられるかがチームの勝利にも直結する」と、彼らが真のレギュラーとして活躍することをBクラスから浮上する条件に挙げた。

 2位の楽天は日本球界復帰2年目の田中将が本来の力を発揮し開幕から2連勝。「メジャーではスプリット主体だったが、日本人は振ってくれない。昨年でその辺の感覚を取り戻しつつある」。マウンド感覚も徐々に戻り、球速も150キロ台を計測するなど日本式のスタイルに戻ってきたことが大きい。実績のある涌井、則本、岸、2年目の早川らも控えるだけに「コロナでの離脱もあったが現時点では優勝争いに加わる一つのチーム」と見ている。

猫の目打線は「出番が分かるからこそ、そこに向け準備することができる」

 2年連続Aクラスと近年は安定した戦い方を見せている千葉ロッテ。ここまで5割前後で進んでいるが「佐々木朗をいつ中6日で起用するか」を一つのポイントにあげる。完全試合を成し遂げた若きエース候補がシーズン中盤、後半にかけての勝負所でどこまで投げられるか。埼玉西武はドラフト1位ルーキー・隅田、同2位の佐藤が奮闘しているが、エースの高橋が好投しながらも2連敗、期待された今井も怪我で調整遅れ。正捕手の森がプレー以外の怪我で離脱するなど万全のチーム状態とはいえない。

 最下位に沈む北海道日本ハムは新庄監督の采配次第か。オリックスが1995、96年にリーグ連覇を果たした際には100試合以上で異なる打順を組む「猫の目打線」など“仰木マジック”が脚光を浴びた。

 当時、1軍打撃コーチとして目の当たりにしていた新井氏は「ヒットを打った次の日にベンチスタートもあった。当初は選手も戸惑いはあったが、相手投手のデータや相性を分からせることで納得していた。出番が分かるからこそ、そこに向け準備することができ連覇につながった」と明かす。それだけに「北海道日本ハムの選手は準備が出来ているか。まだ始まったばかりですが首脳陣の意図を分かる、分からせることが今のチームに一番必要だと思います」と指摘していた。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

記事提供:Full-Count