完璧な直球を求めて。“ストレートの質”を追求し、一軍定着を狙う3年目右腕

パ・リーグ インサイト 岩下雄太

2018.5.23(水) 18:10

とことんストレートを追求

千葉ロッテの3年目・高野圭佑投手の武器は力強いストレートだ。

プロ入りからこだわっているのが“ストレートの質"だ。プロ1年目の2016年、高野投手は「バッターのレベルも(社会人時代よりも)上がっているので、真っ直ぐでいかにファウルを取れるか。追い込まれるまで、どれだけバッターを押し込めるか。ストレートの質に気を付けて投げています」と社会人時代に比べて打者のレベルも上がったプロの世界で生き抜くために、ストレートの向上を課題に挙げた。

翌2年目はストレートを武器に紅白戦から7試合連続で無失点と、開幕一軍入りへアピールした。しかし、打者のレベルが上がってきたオープン戦終盤に失点を重ね、開幕二軍スタートとなった。この時、高野投手は「(打たれたのは)バッターどうこうという話ではないです。ストレートの質を高めることと維持していくこと。そこができない限りは、なかなか厳しいのではないかと思っている」と反省した。

3年目を迎えた今季もオフの自主トレで、ストレートを磨いた。

「シンプルに球速をもう一段階上げたいところと、球の状態をもっと良くする。回転数、回転軸であったり、見え方だったりを工夫していかないと。速い中にも質がある。もうちょっと突き詰めないといけない」。

ストレートの質を高めるため、携帯電話にあるボールを測定する機会を使って、回転数、回転軸、球速がどの方向に回転しているのか、自分の感覚と比べて実際にどれくらいの球を投げているのかを研究した。

シーズンが開幕してから2カ月。高野投手に改めてストレートについて話を聞いてみると「自分の中では良い手応えでやれています。プロ入りのときは151キロだったんですけど、154キロまで出るようになった。ある程度形ができてきました」と手応えをつかんでいる。

また、変化球については今年1月の時点で「ストレートを基準にした変化球を考えている。回転軸をあわせるという意味ではパワーカーブ」と“パワーカーブ"の習得を目指していた。

シーズンが始まってからは「感じとしては投球のスパイス。打者には(パワーカーブが)あるよと見せたりしているくらい。割合としては少ないですね」と多投はしていない。ただ、「体の回転には良い方向に動いて投げられていると思います」と効果をもたらしているという。

千葉ロッテの中で、150キロを超えるボールを投げられる投手は少ない。持ち味であるストレートに磨きをかけ、一軍昇格を目指していく。

記事提供:

パ・リーグ インサイト 岩下雄太

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE