【試合戦評】先発・石川投手が好投。第4回WBC初戦は大量2桁得点で侍ジャパンが勝利

パ・リーグ インサイト

2017.3.7(火) 00:00

3月6日、ついに第4回ワールド・ベースボール・クラシック2017(以下WBC)が開幕。そして7日、日本代表のオープニングゲームが東京ドームで開催された。初戦の相手は、言わずと知れた強豪・キューバ。日本球界でプレー経験のあるセペダ選手、今季から福岡ソフトバンクの一員となるデスパイネ選手なども、キューバ代表として招集されている。

キューバの先発は、5日の強化試合で、埼玉西武を相手に1回を無失点に抑えたエンテンザ投手。そして侍ジャパンの先発は、千葉ロッテの石川投手だ。

石川投手は、1日の強化試合でも安定感のある投球を披露しており、この大事な初戦のマウンドを託された。昨季パ・リーグの最優秀防御率を獲得した実力はだれもが知るところだが、自身初となる大舞台ではシーズン中のようにいかないことも多いだろう。落ち着いて持ち味を発揮し、まずはその投球でチームを勢いに乗せてほしい。

初回、石川投手はいきなり無死1,2塁のピンチを背負う。しかし、元巨人の3番・セペダ選手の打球を、二塁手の菊池選手が自慢の身体能力で捕球し、内野陣の鮮やかな連係でダブルプレー。なおも油断はできない2死3塁の場面で迎える4番打者は、石川投手の元チームメイトであるデスパイネ選手。結果的に四球で出塁を許すものの、次の打者をゴロで打ち取り、侍ジャパンは初回を無失点で切り抜ける。

その裏、2死から3番・青木選手がフェンス直撃の二塁打を放つと、2死2塁から4番・筒香選手がライト前に落ちる適時打。チームの主砲としての役割を初打席からきっちりと果たし、侍ジャパンが先制に成功した。

援護を受けた石川投手は、2回表、キューバの攻撃を危なげなく3人で終わらせるが、3回表、犠飛で1点を失い、試合は振り出しに戻る。しかし中堅手・青木選手の好守にも助けられ、このイニングを最少失点で乗り切ると、4回表は3者凡退。石川投手は球数制限(第1ラウンドは65球)がある中で4回1失点と十分な役割を果たしてマウンドを降り、則本投手に後を託す。

4回裏、1死から8番・松田選手が2打席連続となる安打を放って出塁すると、9番・小林選手が犠打を決めて2死2塁のチャンス。1番・山田選手が飛距離十分の適時二塁打を放ち、侍ジャパンが勝ち越しに成功した。

2番手の則本投手が5回表を3者凡退に抑える抜群の投球を披露すると、投手陣の好投に応えるように、5回裏、侍ジャパン打線が奮起する。まずは1死から5番・中田選手が四球で出塁し、盗塁を成功させると、1死2塁の場面で6番・坂本選手がライン際に適時二塁打を放つ。次の鈴木選手も四球を選んで1死1,2塁とチャンスを広げ、8番・松田選手が打った瞬間にそれと分かる3ラン。さらに9番・小林選手も出塁し、山田選手のゴロの間に進塁すると、2死3塁、2番・菊池選手も適時打を放ち7対1。侍ジャパンは打者一巡の猛攻でこのイニング5得点を挙げ、6点の大量リードを奪った。

7回表、デスパイネ選手のソロなどで3点を失うが、イニングの途中で岡田投手が登板。2死1塁から代打で登場の相手打者を空振り三振に仕留め、見事救援を成功させる。その裏、2死1塁の場面で、4番・筒香選手が主砲らしい豪快な2ランを放ち、9対4と再度リードを広げる。8回表にも2点を奪われるが、その裏、先頭の坂本選手が二塁打を放ち、1死2塁の場面で8番・松田選手がこの試合4安打4打点目となる適時打。続く小林選手の犠飛でも1点を追加してスコアを11対6とし、追い上げるキューバ打線を突き放す。

最終回、抑えとして登板した牧田投手は2死満塁のピンチを招くが、シーズン中も対戦経験のある4番・デスパイネ選手から三振を奪い、第4回WBC、日本代表のオープニングゲームは11対6で侍ジャパンが勝利した。

大量得点を挙げたとはいえ、試合の流れは幾度となくキューバ側に傾きかけた。そのたびに投打で要所を締め、最後まで試合の主導権を引き渡さなかったことが、侍ジャパンの大きな勝因だと言えるだろう。投手陣は6失点を喫したが、それ以上に四球や盗塁でチャンスを広げ、好守でピンチを凌ぐ場面が多く見られたことは期待が持てる。8日に行われる2戦目の相手はオーストラリア。これからも日本らしい緻密な野球で、一戦一戦を戦い抜いていってほしい。

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