急転開幕ローテ入り決定 埼玉西武ドラ2佐藤隼輔が遂げた大学時代からの“2つの進化”

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2022.3.22(火) 07:50

先発した埼玉西武・佐藤隼輔※写真提供:Full-Count(写真:宮脇広久)
先発した埼玉西武・佐藤隼輔※写真提供:Full-Count(写真:宮脇広久)

ドラフト1位の隅田と共に新人左腕2人が開幕ローテに名を連ねることに

■埼玉西武 4ー1 東京ヤクルト(オープン戦・21日・ベルーナドーム)

 埼玉西武のドラフト2位ルーキー佐藤隼輔投手が21日、本拠地ベルーナドームで行われた東京ヤクルトとのオープン戦で先発し、5回1安打無失点の快投を披露した。右内転筋の張りを訴えた今井達也投手に代わり、開幕ローテ入りが決まった。“先発左腕不足”に悩んできた埼玉西武の開幕ローテに、ドラフト1位ルーキー隅田知一郎投手とともに新人左腕2人が名を連ねることになった。

 佐藤は昨季セ・リーグMVPの村上に対し、1回2死一塁の第1打席では、全4球ストレートで空振り三振。4回1死走者なしの第2打席でも、カウント1-0から外角の145キロで三邪飛に仕留めた。「ストレートに合っていない印象があったので押しました。球界を代表する打者から空振りを取れたのは、自信になります」とうなずいた。

 当初は中継ぎとして開幕1軍入りする見込みだった。過去3度のオープン戦登板も全てリリーフだったが、今井のアクシデントを受けて2日前に急遽先発を通達された。それでも「1週間のルーティンが体に染みついているわけではないので、急遽先発と言われても、それほど動じることはありませんでした」と落ち着いていた。

 宮城・仙台高から筑波大へ進学する際に「4年後にドラフト1位でプロへ行く」と心に決めていた。結果的に惜しくも2位指名となったが、1位に引けを取らない評価を受けていた。さらに、大学時代に比べて2つの点で“進化”。まずは視力だ。裸眼の視力は0.3で、プロ入り後のオープン戦から、オークリー製のゴーグル型度入りサングラスを着用してマウンドに上がっている。

大学時代には投げていなかったフォークとカーブにも挑戦中

 大学時代は「乱視もあって、捕手のサインを見ていると、1本の指が複数に見えることがあり、ヤバいと思っていました」という。「試合は常に日中(デーゲーム)でしたし、球種はストレート、スライダー、チェンジアップだけで、サインは1と3と5なので、とても見やすかった」と笑い飛ばす。プロではそうもいかないだろうが、ゴーグルのお陰で「サインが見やすくなりました」と自信を深めた。

 また、新しい球種にも挑戦している。4回2死走者なしの場面では、サンタナを2ストライクから「大学では練習すらしていなかった」というフォークで空振り三振に。さらに「カーブも何球か投げたのですが、全て引っかけてしまいました」とも。球種が2つも増えれば、投球の幅が広がるというもの。「まだまだ、スライダーやチェンジアップほど自信を持って投げられないですが、打者の目線やタイミングをずらしたり、持っているんだと思ってもらえるだけでもいいと考えて投げています」と語っていた。

 諦めていた開幕ローテの座が思わぬ形で転がり込み、評価はさらに急上昇の気配。辻監督を「(佐藤と隅田は)2人とも素晴らしいですよ」と喜ばせている。ドラ1とドラ2で新人王を争う展開になれば、昨季まで4年連続リーグワーストのチーム防御率にあえいでいた埼玉西武投手陣が、一気にパワーアップする。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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