昨季最下位埼玉西武“反攻の開幕ローテ”が確定か 4失点の與座にも辻監督「大丈夫」

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2022.3.16(水) 19:47

北海道日本ハム戦に登板した埼玉西武・松本航(左)と與座海人※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
北海道日本ハム戦に登板した埼玉西武・松本航(左)と與座海人※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

オープン戦で松本航と與座海人が演じた“明暗”も…共に合格判定

 昨季の最下位から巻き返しを誓う埼玉西武の、今季開幕ローテーションが事実上確定した。16日に本拠地ベルーナドームで行われた北海道日本ハムとのオープン戦で、先発した松本航投手が4回2安打6奪三振1失点(自責点0)の快投。2番手で登板した與座海人投手は5回6安打4失点と打ち込まれたが、辻発彦監督が先発入りに太鼓判を押した。開幕投手に指名された高橋光成投手、今井達也投手、ドラフト1位ルーキーの隅田知一郎投手、21歳の成長株・渡辺勇太朗投手と、伸び盛りの顔ぶれが揃った。チーム防御率が4年連続リーグワーストの屈辱的状況から、今年こそ脱出しなければならない。

 松本は1回、1死から源田の失策で出塁した万波を、近藤の左中間適時二塁打で返され先制点を許した。それでも崩れない。2回1死一塁では、ドラフト3位ルーキーの水野にフォークを振らせて三振に仕留め、続く清宮からも高めの145キロ速球で空振り三振を奪った。

「前回登板(9日の横浜DeNAとのオープン戦で5回6安打2失点)の反省点は、打者を追い込んでから意味のないボール球が多かったこと。今日は3球で決めるくらいの気持ちで投げました。追い込んでからもストライクゾーンで勝負するのが自分のスタイルなので、この方がいいと実感しました」と力強くうなずいた。

 辻監督は「今日はスピンの利いた真っすぐでファウルを取れていた。変化球の制球もよかったが、やはり真っすぐが走らないとね。ホッとしました」と安堵感を漂わせた。プロ3年目の昨季、自身初の2桁勝利(10勝8敗、防御率3.79)を挙げた松本は、今季は高橋、今井と並ぶ先発3本柱の一角として計算されている。

期待の新外国人は来日遅れも…ドラ1隅田の加入で左腕不足解消にめど

 対照的に、右アンダースローの與座は5回、先頭の水野に交代直後の初球を右翼席へ放り込まれる衝撃的なスタート。7回にも育成選手の速水に2点二塁打、渡辺にも左前適時打を浴び、一挙3点を奪われた。

 それでも辻監督は「単調になっただけで、球自体は悪くない。丁寧に投げようとすると、どうしても低めに集まるが、逆に高めで打ち取れた打者もいた。今日の失敗を反省して生かせば、大丈夫だと思う」と評した。変則的なサブマリンには希少価値があり、先発ローテのアクセントにもなりうる。

 新外国人のバーチ・スミス投手とディートリック・エンス投手も先発候補だが、コロナ禍で来日が大幅に遅れ、14日に入団会見を行ったばかり。辻監督は「現状では、助っ人の先発は考えられない。少なくとも開幕後1週とか2週は、(與座を含めた6人に)頑張ってもらわないと」と構想を語る。

 山賊打線の破壊力でパ・リーグ連覇を達成した2018、19年を含め、埼玉西武投手陣は昨年までチーム防御率が4年連続リーグワースト。忸怩たる思いを抱き続けてきた。特に、慢性的な左腕不足に悩まされてきたが、昨秋のドラフトで4球団競合の末、アマナンバーワン左腕の隅田を獲得。オープン戦でも看板に偽りなしの好投を見せ、長年の課題解消にめどが立った。昨季後半にローテ入りし4勝した渡辺にも、さらなる成長が見込まれている。かつての投手王国再建へ向け、反転攻勢に出る時がやってきたか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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