今季投げた44球のうち、安打されたのは「1球」だけ
エンゼルス大谷翔平投手は20日(日本時間21日)、本拠地レイズ戦で今季4勝目を手に入れた。7回2/3を投げて6安打1四球9奪三振2失点(自責2)。メジャー移籍後最多となる110球の熱投では、速球、スライダー、カーブ、スプリットの持ち球を駆使し、レイズ打線を退けた。
その中でも、地元記者は絶大な威力を誇るスプリットを絶賛。「被打率.023」という伝家の宝刀に衝撃を受けている。
3回先頭フィールドにソロ弾を浴びた大谷だが、打者12人連続凡退に切って落とすなどの無双ぶりを発揮。7回にも1点を失ったが、7回2/3を投げて2失点に抑えた。チームの連敗を「5」で止め、さらに自身4勝目を記録。防御率は3.35まで向上した。
立ち上がりから制球に苦しむ場面が見られる中、威力を発揮し続けたのがスプリットだ。MLBデータ解析システム「スタットキャスト」の担当記者、デービッド・アドラー氏は自身のツイッターを更新。「みんな、ショウヘイ・オオタニのスプリットに取り乱してはいけない。被打率は.023まで向上した」と驚きのデータを紹介した。
落差のあるスプリットに対戦打者のバットは空を斬るばかりに見えたが、被打率.023という数字を見れば、それも納得だ。誰も触ることができない、文字通り「アンタッチャブル」な球となっている。
アドラー記者は、さらに大谷のスプリットに関する衝撃の事実を伝えた。
「打者はこれまで36球に対して無安打で24三振だった。現在は44球に対して1安打で30三振。ウィルソン・ラモスが放った三塁手ザック・コザートのグラブを弾くライナーが、MLBでオオタニのスプリットを捉えた最初のヒットとなった」
7回先頭で打席に立ったラモスは、1ストライクから2球目87.1マイル(約140キロ)のスプリットを捉えた。打球は三塁手コザートのグラブを弾いて左前に抜ける安打となったが、これこそがメジャーの強打者たちが初めて大谷のスプリットをヒットにした瞬間だったという。
被安打0の“不沈伝説"は途絶えたが、それでも被打率.023は現実離れした数字と言えるだろう。このデータに、米スポーツ専門メディア「ブリーチャー・リポート」のザッカリー・ライマー記者は、「ショウヘイ・オオタニのスプリットは、まるでマリアーノ・リベラのカットボールだ」とツイート。史上最多652セーブを誇ったヤンキースの元守護神リベラが、並み居る強打者をなぎ倒した宝刀カットボールになぞらえた。
まだメジャーデビューから1か月半を過ぎたばかりだが、すでに強烈な印象を残す大谷のスプリットは、後世に語り継がれる決め球となりそうな予感だ。
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