鷹ドラ4・野村勇は「隙あらば行く」。単なる俊足ではない…専門家が称賛した“塁上の姿勢”

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2022.2.23(水) 07:20

福岡ソフトバンク・野村勇※写真提供:Full-Count(写真:福谷佑介)
福岡ソフトバンク・野村勇※写真提供:Full-Count(写真:福谷佑介)

二盗、三盗を立て続けに成功した野村勇は「意欲的な姿勢は素晴らしい」

 福岡ソフトバンクのドラフト4位ルーキー・野村勇(いさみ)内野手が22日、今年初の対外試合として行われた「球春みやざきベースボールゲームズ」の埼玉西武戦の6回に代走で登場。二盗、三盗を立て続けに決めた。球界屈指の俊足を誇る周東佑京内野手より速いとの呼び声もある注目の新人。目標は遊撃か二塁でのレギュラー獲得だが、まずは足のスペシャリストとして、相手を恐怖に陥れるかもしれない。

 確かに速い。6回先頭で中前打を放った上林の代走として起用された野村勇。背番号「99」が一塁ベース上に立った。続く柳町の打席で、カウント0-1からの2球目にスタート。この回からマスクをかぶっていた埼玉西武のドラフト3位・古賀の送球がワンバウンドする間、悠々と二塁を奪った。

 これだけでは終わらない。柳町が三振に倒れた後、海野の打席での初球に敢然と三塁へスタート。埼玉西武バッテリーは虚をつかれ、古賀は送球することもできなかった。

 現役時代に東京ヤクルト、北海道日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「三盗は埼玉西武の守備陣が完全にノーマークだった。本来は捕手が『狙っているぞ。気をつけろ』と投手に声をかけなければならないし、新人の古賀にそこまでの余裕がなかったとすれば、周りの内野陣が注意してあげるべきだった」と指摘。その上で「それにしても、野村勇の“隙あらば行く”という意欲的な姿勢は素晴らしい。福岡ソフトバンクにいい武器が加わった。使えると思う」と若鷹を称賛した。

野口氏「実戦で走れば走るほど、スタートの感覚がつかめるようになる」

 福岡ソフトバンクでは、周東が2019年のWBSCプレミア12で、チームでは控えの立場だったにも関わらず、ここ一番の代走要員として侍ジャパンに召集され、大会最多の4盗塁を決めて優勝に貢献。翌2020年には打撃も向上してレギュラーの座をつかみ、MLBにも例がない13試合連続盗塁のプロ野球記録を樹立、盗塁王のタイトルも獲得した例がある。ただ、周東は昨年9月に右肩を手術し、現在は3軍調整中だ。

 野村勇については、その周東よりも速いと評する声も。50メートル走のタイムは、野村勇が5秒8、周東は5秒7とされている。野口氏は「周東より速いというのは言いすぎではないか……」と苦笑い。その上で野村勇へ「足が速いことはわかった。チームからもグリーンライト(自分の判断で盗塁する権利)を与えられると思う。あとはオープン戦でどんどん走り、どんどん失敗すればいい」とエールを送る。

「プロの実戦で走れば走るほど、スタートの感覚がつかめるようになる。失敗しても気にする必要はない。むしろオープン戦のうちに失敗を重ねて、なぜ失敗したのかを分析し、原因をつぶす作業をしていくべきだ」と話す。

 野村勇は寒川高、拓大、NTT西日本を経て、ドラフト4位で入団した25歳。最初は“周東方式”で代走として出場機会をつかみ、しかる後に、今宮、三森、川瀬、高田、新外国人のガルビス、そして周東らがひしめくレギュラー争いに参入していく手もある。

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