福岡ソフトバンク・内川聖一選手、今季は節目の大記録に挑戦

パ・リーグ インサイト 武山智史

ペナントレース開幕まで1カ月を切った。今季は福岡ソフトバンク・内川聖一選手の通算2000本安打、埼玉西武・中村剛也選手の通算350本塁打、北海道日本ハム・宮西尚生投手の通算250ホールドなど、記録達成が大いに期待される。中でも、内川選手の通算2000安打にフォーカスしていきたい。

2000年のドラフト1位で横浜に入団した内川選手は、プロ4年目の2004年に出場機会を増やし17本塁打を放って台頭。2006年には初めて出場試合数が100試合を超えるも、レギュラー定着とは言えずもどかしい日々が続いた。そんな中、2008年には後にヤクルト・山田哲人選手を育てる杉村繁コーチの指導を受け打撃開眼。セ・リーグ日本人打者最高打率となる.378、189安打で最多安打、出塁率.416で最高出塁率と複数のタイトルを獲得し、一流打者の仲間入りを果たす。

さらに翌2009年には第2回WBCの日本代表に選出され決勝の韓国戦では好守備、イチロー選手の決勝打で勝ち越しのホームを踏むなど攻守で輝きを放った。10年オフにはFA宣言し福岡ソフトバンクへ移籍。移籍1年目の11年には打率.338で江藤慎一氏以来となるセ・パ両リーグで首位打者を受賞し、リーグMVPとチームの日本一に大きく貢献する。

その後もホークス打線の中軸に座り、横浜時代の08年から14年まで7年連続打率3割と結果を残し続けてきた。積み重ねてきた安打数は、昨シーズン終了時点で1896。一流バットマンの証である2000本安打まであと104本に迫っている。福岡ソフトバンク移籍後、1シーズンで最も安打数が少なかったのが11年の145安打だっただけに、大きなケガやスランプが無い限り今シーズンでの記録達成が有力だ。

内川選手の2000本安打達成は、さらに大きな意味を持つ。内川選手は今年の8月4日で35歳を迎え、シーズン終了時点では35歳2ヶ月。今シーズン終了までに達成すると榎本喜八氏、張本勲氏、土井正博氏、立浪和義氏、王貞治氏に次ぐNPBでは6番目に若い2000本安打到達となる(なお、7番目は長嶋茂雄氏、野村克也氏の35歳3ヶ月)。また、2000安打到達までの通算試合数の少なさでも上位に入る可能性が高い。内川選手の通算出場試合数は昨年までで1696試合。もし昨年と同じペース(89試合で104安打)で安打を打ち続けていった場合、通算1785試合での達成でNPBでは8番目。今季139試合目での達成でも、谷沢健一氏に並ぶ通算1835試合となりNPBでは10番目だ。同世代ではアストロズ・青木宣親選手が日米通算2000本安打にあと35安打に迫っているため、今季は1980年代生まれの打者から2000本安打が複数誕生する可能性がある。

第4回WBCの代表に選ばれた内川選手は2月25日、対福岡ソフトバンクとの練習試合で、守備中に打者走者とぶつかり途中交代。右肩打撲と診断されたが大事には至らなかった。ベテランとして侍ジャパンを引っ張り、自身の通算2000本安打達成に向けて弾みをつけたい。

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パ・リーグ インサイト 武山智史

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