1年目15勝の則本昂は2年目に最多奪三振のタイトルを獲得
プロ野球界でよく言われる「2年目のジンクス」。実績のない若手選手が、大ブレークした翌年に不振に陥ることを指し、その理由としては相手から徹底研究されることや前年からの疲労の蓄積などが挙げられる。昨年の球界は高卒2年目のオリックス宮城大弥投手が13勝を挙げて新人王、10勝をマークした北海道日本ハムのルーキー・伊藤大海投手が新人特別賞を受賞するなど多くの若手が台頭したが、2022年シーズンはどうだろうか。ここでは過去10年のパ・リーグ新人王の翌シーズンの成績を振り返る。
○2011年:牧田和久(埼玉西武)
55試5勝7敗22S1H、防2.61→27試13勝9敗、防2.43
ルーキーイヤーは途中から救援に回って22セーブをマーク。2年目は先発に専念してチーム最多の13勝を挙げた。
○2012年:益田直也(千葉ロッテ)
72試2勝2敗1S41H、防1.67→68試2勝6敗33S9H、防2.76
1年目はセットアッパーとして41ホールド、2年目は守護神を任されて33セーブをマーク。2年間で計140試合に登板し、現在も千葉ロッテのブルペンを支える。
○2013年:則本昂大(楽天)
27試15勝8敗、防3.34→30試14勝10敗、防3.02
ルーキーイヤーにチームの初優勝&日本一に貢献した右腕は2年目に更に進化。204奪三振で最多奪三振のタイトルを獲得した。
○2014年:石川歩(千葉ロッテ)
25試10勝8敗、防3.43→27試12勝12敗、防3.27
1年目にチーム勝ち頭になった右腕は2年目も奮闘。リーグワーストの12敗を喫したが連続2桁勝利をマーク。防御率も改善させた。
○2015年:有原航平(北海道日本ハム)
18試8勝6敗、防4.79→22試11勝9敗、防御率2.94
2年目に自身初の2桁勝利。規定投球回にも到達し、チームのリーグ優勝と日本一に貢献した。
源田は2年連続150安打超、平良は20セーブ&20ホールド
○2016年:高梨裕稔(北海道日本ハム)
37試10勝2敗1H、防2.38→22試7勝7敗、防3.68
大卒3年目でブレークして新人王に輝いた右腕は、翌年はやや低調。シーズン途中に救援に配転された他、2軍降格も経験し、7勝に終わった。
○2017年:源田壮亮(埼玉西武)
143試155安3本57点37盗、率.270→143試165安4本57点34盗、率.278
2年連続フル出場を果たし、1年目と遜色ない成績を残した。ベストナインとゴールデングラブ賞を初受賞し、正遊撃手として揺るがぬ地位を築いた。
○2018年:田中和基(楽天)
105試112安18本45点21盗、率.265→59試30安1本9点3盗、率.188
高い身体能力を備えたスイッチヒッターは大卒2年目にブレークし、新人王に。しかし翌年は左手骨折など怪我もあり出場機会を大きく減らした。
○2019年:高橋礼(福岡ソフトバンク)
23試12勝6敗、防3.34→52試4勝2敗23H、防2.65
身長188センチのサブマリンは大卒2年目に先発で12勝。翌年は救援で23ホールドをマークした。
○2020年:平良海馬(埼玉西武)
54試1勝0敗1S33H、防1.87→62試3勝4敗20S21H、防0.90
高卒3年目33ホールドをマークして新人王を手にした剛腕は昨年更に進化。プロ野球記録の39試合連続無失点を樹立、パ・リーグ初の20セーブ&20ホールドも記録した。
過去10年を見る限り、新人王の翌年に成績を大きく落としたのは楽天・田中和基で、他の選手は結果を残している。昨年のパ・リーグは宮城の他にも高卒2年目で正遊撃手になったオリックス・紅林弘太郎内野手、3勝を挙げた千葉ロッテ佐々木朗希投手、新人でも伊藤の他に楽天・早川隆久投手が9勝を挙げるなど活躍した若手選手が多い。今季はどんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。
(Full-Count編集部)
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