両チーム2桁安打の乱打戦。双方の課題と希望が見えた北海道日本ハムと楽天の練習試合

パ・リーグ インサイト 馬塲呉葉

2017.2.21(火) 00:00

2月21日、天候に恵まれた沖縄県名護市営球場にて、北海道日本ハムと楽天の練習試合が行われた。

今回、北海道日本ハムからは増井投手、宮西投手、中田選手、大野選手の4選手、楽天からは則本投手、松井裕投手、嶋選手の3選手が侍ジャパンメンバーに選出されており、試合前に花束贈呈などの壮行式が催された。なお、北海道日本ハムのレアード選手、メンドーサ投手、楽天のアマダー選手も、メキシコ代表メンバーとして「2017 ワールド・ベースボール・クラシック」に出場する予定だ。

さて、ここではこの練習試合の模様と、そこで活躍した選手の様子を、簡単にピックアップして振り返りたい。

試合は最終的に両チームがともに2桁安打を記録し、合わせて6本塁打が飛び出すなど乱打戦になった。1回裏、先頭の西川選手が先頭打者弾を放って、北海道日本ハムが先制に成功すると、2回表、これまた先頭の今江選手が右方向への一発。一振りで試合を振り出しに戻した。

先制弾を放った西川選手は3回裏にも、2打席連続となる本塁打。さらに1死1,2塁の場面で5番・レアード選手が、フェアゾーンぎりぎりに飛び込む3ラン。試合序盤で、北海道日本ハムが4点リードを奪う。しかし楽天も、4回表に島内選手、聖澤選手、三好選手、足立選手の連打などで3得点を挙げた。

5回表にも、3番・銀次選手が二塁打でチャンスを作ると、途中出場のアマダー選手がレフトスタンドへの2ランを放ち、楽天が逆転に成功する。ただし、その裏に2死から清水選手、ルーキーの石井一選手、松本選手が連続適時打を放ち、北海道日本ハムが1イニング4得点。さらに6回裏にも、連打で2点を追加する。

楽天は8回表に阿部選手の2ランで3点差に迫るが、後続を断たれてそれ以上の点を加えられず、試合は8対11で北海道日本ハムが勝利した。

直接得点に結びつく本塁打を放った5選手もさることながら、試合中、北海道日本ハムの杉谷選手が存在感を放っていた。

杉谷選手は2番・セカンドで先発出場すると、1回裏に辛島投手から鋭い当たりの二塁打。3回裏には菊池投手から安打を放ち、6回裏にも大塚投手からフェンス直撃の二塁打。最終的に5打数3安打の猛打賞という十分すぎるくらいの結果を残した。

さらに、左投手の辛島投手と大塚投手に対しては右打席、右投手の菊池投手に対しては左打席にスイッチ。右打席では3打数2安打、左打席では2打数1安打と両打席で結果を残し、スイッチヒッターとしての強みを存分に発揮した。

杉谷選手は特に守備力に関して定評のある選手であり、今回も途中出場の選手に合わせて守備位置を変更する場面が見られたが、それも高いレベルで内外野をこなせる実力を評価されているからだろう。ユーティリティープレーヤーが1人入ることで、チーム全体の選手の起用法に幅を持たせることができる。そのうえで、このままスイッチヒッターらしい器用な打撃を継続させることができれば、新シーズンにおいて杉谷選手がチームにもたらす貢献度は、計り知れないほどのものになるかもしれない。

投手陣では、北海道日本ハムの加藤投手が6回から2イニングスを投げて被安打1、奪三振3で無失点。7回に登板した楽天の松井裕投手も、1イニングを3者凡退で締め、安定感のあるさすがの投球を披露した。

また、楽天のドラフト5位ルーキーである森原投手も、8回から登板。先頭打者の渡邉選手にあともう少しで本塁打という当たりを打たれたものの、センターを守っていた同じくルーキーの田中選手が巧みに打球をキャッチ。そして後続の大嶋選手、この試合でマルチ安打を記録した横尾選手は危なげなく打ち取り、結果的に3人で攻撃を終わらせた。

今回の練習試合は2桁得点を挙げた北海道日本ハムが勝利したものの、楽天が奪った得点も申し分なく、どちらが勝ってもおかしくない試合であった。同時に両チームとも、特に走塁や守備の面でミスが目立った。改善点が明確になり、お互いにとって収穫の多い練習試合になったと言えるだろう。

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パ・リーグ インサイト 馬塲呉葉

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