2月18日、北海道日本ハムが沖縄県国頭村のかいぎんスタジアム国頭にて、一、二軍合同の紅白戦を行った。ここでは、最終回に劇的な展開を迎えた試合の模様を、簡単に振り返りたい。
紅組の先発は、今季7年ぶりに日本球界に復帰した村田投手。村田投手は初回、先頭打者の西川選手に四球を与え、田中賢選手の適時打で1点を失う。2回裏にも、1死1,2塁のピンチを招くが、後続の打者は三振と飛球で打ち取った。10日にアリゾナ州ピオリアで実施された紅白戦に登板した際は、2回無安打無失点という結果だったが、今回は2回1安打2奪三振3四死球1失点。立ち上がりにおける失点や、制球に関してなど、乗り越えるべき課題が浮き彫りになった。
白組の先発は新外国人のエスコバー投手。エスコバー投手は初回を3者凡退に抑え、2回表には安打を許すものの、打たせて取る投球で飛球を量産。2イニングスを被安打1、無失点で終わらせる安定感のある投球を披露した。エスコバー投手は父親が元メジャーリーグの内野手で、ロイヤルズの遊撃手・アルシデス・エスコバー選手とも親戚関係にあるなど、エリート家系出身の左腕。明るいキャラクターで早くもチームに溶け込んでいるが、今季からの活躍にも大きな期待が持てそうだ。
村田投手、エスコバー投手の後、5回まで豪華な投手リレーが行われた。白組は有原投手が2イニング、宮西投手が1イニング。紅組は武田久投手、増井投手、谷元投手が1イニングずつ登板。白組2番手の有原投手は、3回表を打者3人、わずか7球で終わらせる。4回表には走者を出すものの、最後は注文通りのダブルプレー。また、紅組2番手の武田久投手と3番手の増井投手も、それぞれ3回裏、4回裏を3者凡退に抑えた。宮西投手と谷元投手は被安打こそ許したが、後続を断って無失点。試合は5回裏まで、1対0の状況が続いた。
6回表、紅組2番・石井一選手が二塁打を放ってチャンスを作ると、2死2塁、途中出場の飯山選手が適時二塁打。紅組が1点を加え、同点に追い付いた。しかし6回裏以降は両組ともに無得点に終わり、9回裏の白組の攻撃。3番・大累選手が出塁すると、盗塁を決めて無死2塁。4番・森本選手が安打を放ち、無死1,3塁の絶好機を迎えた。5番・姫野選手が三振に倒れ、3塁走者の大累選手が走塁死したものの、6番・清水選手が粘って四球をもぎ取る。そして2死1,2塁の場面、7番・高卒ルーキーの郡選手が、驚きのサヨナラ本塁打。劇的な幕切れで、今回の紅白戦は白組が勝利を収めた。
今回の試合で殊勲打を放った郡選手は、ドラフト7位入団の18歳。強肩が自慢の捕手だが脚力をも備え、帝京高校時代はサイクル盗塁も記録している。7回裏にも強烈な二塁打を放っており、強打にも期待が持てそうだ。ドラフト9位入団で、郡選手と同じ高卒ルーキーの今井選手も、9回表に左翼フェンス直撃の三塁打を放って観衆をどよめかせるなど、確かな存在感を示した。
キャンプ期間中の試合は、選手が自身のコンディションを調整し、首脳陣がチームの現在の状態を確認するために行われるものである。しかし、今回の北海道日本ハムの紅白戦は、日本を代表する一流投手による豪華な投手リレーや、高卒ルーキーの躍動など、見どころ満載の試合となった。同日、オリックスも広島との練習試合を実施したが、ドラフト1位ルーキーの山岡投手が、わずか5球で1イニングを締め、8位ルーキーの澤田投手が広島のクリーンアップを3者凡退に抑えるなど、パ・リーグの新人選手の活躍が大いに目立つ日となった。
記事提供: