正捕手マルドナドと外野手アップトンが見る大谷
今季38試合を終え、23勝15敗でア・リーグ西地区の首位を走るエンゼルス。好調を支える要因の1つは、ルーキーながらも投打にわたる活躍を見せる大谷翔平選手の存在だろう。打者として20試合で打率.348、投手として3勝1敗、防御率4.10の成績を残す二刀流。開幕前に起きた懐疑的な声を吹き飛ばす活躍のカギに、チームメイトたちは「知性」と「冷静さ」を挙げているという。米紙「パイオニアプレス」が伝えている。
かのベーブ・ルース以来となる100年ぶりの二刀流と期待された大谷。ここまで投打両面で衝撃のパフォーマンスを披露し、全米にセンセーションを巻き起こしている。序盤の成功のカギとなっているものは何なのか。大谷の女房役を務めるマーティン・マルドナド捕手は、23歳ルーキーについて「あの年齢にして、本当に賢いんだよ」と語ったという。
「彼はしっかりプランを持っている。自分が何をすべきかわかっているんだ。ピッチャーとしてどこまで突き進みたいのか理解しているし、打者としても何をすべきか分かっている。誰よりも自分自身について理解する能力を持っている。これが感心するべき点だと思う」
キャンプインからバッテリーを組み、頻繁に意思疎通を交わす男は、大谷の優れた内面を評価。設定した目標に向かい、現状を理解する自己分析能力の高さに驚嘆した。
一方、圧巻のパフォーマンスの裏に潜む大谷の人間力を買うのは、ジャスティン・アップトン外野手だ。「自分が最も感銘を受けたのは、日本からここに至るまでの適応力、そして彼の持つ冷静さだ」と30歳のベテランは語ったという。記事では、これまでアップトンが3冠王ミゲル・カブレラやサイ・ヤング賞投手ジャスティン・バーランダーと同僚としてプレーした経歴を紹介しながら「彼が簡単に感心することはない」と指摘する。そんなアップトンの心を動かしたのは、大谷が打率.125、防御率27.00と結果が残せず試行錯誤した開幕前の日々だったという。
「スプリングトレーニングではメディアからの注目を集めながらも、いい結果が残せなかった。それでも雑音をブロックしてプレーに集中していた。彼は冷静さを維持し、その結果、実力を発揮できたんだ。そんな男が23歳というのが、自分にとっては最も印象的だったんだ」
大谷の実年齢とかけ離れた落ち着きぶりは、北海道日本ハム時代も高く評価されていた。それは舞台を変えたメジャーでも変わることなく続いている。投打、走塁とオールラウンドに規格外の働きを見せている大谷だが、23歳にして輝く知性、そして苦境でも冷静さを失わない強さに、同僚たちは感心せざるを得なかったようだ。
記事提供: