二刀流・大谷翔平選手の活躍、リベンジに燃える福岡ソフトバンク、辻発彦新監督を迎え、復活を目指す埼玉西武…。2017年もパ・リーグの見どころは尽きない。そんな中、昨年は出場機会が少ない中で結果を残し、2017年に飛躍が期待される選手たちにスポットを当てる。
連覇を狙う北海道日本ハムで今季注目されるのは、FAで巨人へ移籍した陽岱鋼選手が抜けたセンターを誰が守るのか。その候補に挙げられるのがプロ4年目の岡大海選手だ。岡選手は昨年、41試合と15年の101試合を下回る出場機会に終わったが、打率.374と高い数字を残した。日本シリーズでは第1戦と第6戦で3番に、第4戦、第5戦は「1番・センター」で出場しチームの日本一に貢献した。
岡選手の昨年の成績をセイバーメトリクスで見てみると、OPS(長打率+出塁率)は.923。.900を超えると一流の打者と評され、同じチームの大谷選手のOPSは1.004だった。試合数が少なかったとはいえ、今シーズンの岡選手の活躍に期待が掛かる。現状、北海道日本ハムのセンターの候補は岡選手と巨人から交換トレードで移籍した大田泰示選手の一騎打ちが予想される。背番号は今季から31から18へと変わる岡選手のバッティングに注目だ。
今季は4年ぶりのAクラス入りが至上命題となる埼玉西武。昨年は山川穂高選手が49試合と出場機会を増やしプロ入り初の2ケタ本塁打となる14本塁打をマーク。「おかわり2世」と言われる自慢の長打力を見せつけた。
山川選手の昨年放った36安打中、本塁打は14本と約4割近くが本塁打という結果だった。おのずと長打率も高くなり.590。OPSは.925だった。また、長打率から打率を差し引いた、長距離打者を測る指標となるIsoPは.331。メヒア選手が.257、中村剛也選手が.209だったため、山川選手の長打力が際立っていた。メヒア選手、中村選手だけでなく今季から背番号3を付ける浅村栄斗選手、森友哉選手と長距離打者が揃う埼玉西武にあって、山川選手の飛躍もチームにとって大きな力になるだろう。
投手では昨年、パ・リーグ新人王に輝いた北海道日本ハムの高梨裕稔投手にも注目だ。プロ3年目の昨年はシーズン途中から先発ローテーションに加わり、10勝2敗とリーグ優勝に大きく貢献した。投球回数は109回2/3と規定投球回数には満たなかったが、投手が1イニングあたりに平均何人の走者を出したかを表す数値のWHIP((被安打+与四球)÷投球回数)では1.05の数字を残した。WHIPが1.00を切れば大変優れたピッチャーと評価される中、高梨投手は安定した投球を見せたと言える。
現在の立ち位置からチームに欠かせない主力選手へ。2017年の更なる飛躍から目が離せない。
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