前回登板まで使った赤のグラブから昨季まで使った黒のグラブへ
■福岡ソフトバンク ー オリックス(23日・PayPayドーム)
福岡ソフトバンクは23日、本拠地PayPayドームでのオリックス戦に7-2で快勝した。先発の和田毅投手が7回途中1失点と好投。3カード連続で勝ち越しを決め、単独首位で交流戦を迎えることになった。
オリックス打線を手玉に取った。初回を3者凡退に封じると、その裏に味方打線が1点を先制。2回以降も走者は出しながらも、2つの併殺を奪うなど、6回までゼロを並べた。7回に先頭の宗に右中間を破られる二塁打を浴び、1死三塁となったところで降板となったが、6回1/3を投げて4安打1失点の好投で3勝目をマークした。
この白星が4月21日の楽天戦以来、1か月ぶりの白星となった和田。同戦以降は中盤につかまって失点を重ねて降板する試合が続いていた。5月12日の千葉ロッテ戦から中10日空けての登板。左腕はグラブを今季使用していた赤のものから、昨季使用していた黒に変えて臨んでいた。
「マッチの助言で変えました。『和田さんグラブの色変えましょう。僕もバットの色変えるんで」。前回登板からの間、松田宣浩内野手からこう言葉をかけられた。気分転換の意味も込めて、調整期間中、さまざまな色のグラブで練習。「いい感じで投げられていた」という昨季のグラブに変えてみたという。
「ちょうどマッチも凡打が続いていた時期でバットの色を変えてヒットが出ていたので。彼の天性の助言なんですかね。そういうのって何がキッカケになるか分からないので。できることはなんでもして、藁にもすがる思いで変えてみました」
結果的には7回途中まで1失点の好投で、チームも3カード連続の勝ち越し。和田自身も1か月ぶりの白星を掴み「悔しいピッチングばっかりだった。間を空けてもらって、調整してきたことを今日出す気持ちでした。勝ちに繋がったのが良かった」と安堵の表情を浮かべた。
たかがグラブの色、されどグラブの色。「いいキッカケになれば、と。僕の場合は変わったので」。40歳になったベテラン左腕のひさびさの白星の裏側には、こんな裏話があった。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
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