前日は円陣の声出しでグラシアルの爆笑を誘う「野球より頭使って」
■福岡ソフトバンク 2ー1 北海道日本ハム(29日・PayPayドーム)
福岡ソフトバンクの真砂勇介外野手が、29日の北海道日本ハム戦(PayPayドーム)に「6番・中堅」でスタメン出場。7回にソロ本塁打を放ち、4連敗からの脱出に貢献した。ベンチに戻って仲間の祝福を受けると、右手で左手首をトントンと叩くポーズ。その真相は、柳田悠岐外野手への“合図”だった。
不調のデスパイネに代わり、巡ってきた先発のチャンス。
「昨日の試合終わりに『もしかしたらあるかもしれないぞ』と言われました。昨日の夜は今年の初スタメンの時(4月3日の埼玉西武戦)よりもマシでしたが、試合開始が迫ると『うわ、また緊張しとる』って……。それでも皆さんが声をかけてくれて自分のプレーをすることだけ意識しました」
3打席目に結果で応えた。2点差に広げる左中間への今季1号ソロ。9回に守護神の森唯斗が1点差に迫られたことを考えれば、超貴重な1点だった。自主トレをともにした柳田から「今年、本塁打を10本打ったら時計を買ってやる」と約束を交わした真砂。左手首をトントンと叩いて「1本」を示しながら「1本目出ましたよ~」とアピール。柳田からも「あと9本。ナイスバッティング」と声をかけてもらったという。「いいモチベーションになります」と残り9本を狙っていく。
「連敗中でしたし、自分が何とかチームの雰囲気を変えるプレーをしたいと思っていました」。前日の試合前にも、雰囲気を変える“好プレー”を見せていた。ベンチ前の円陣で、パーティグッズによくあるボイスチェンジャー(ヘリウムガス)で声を変えて気合の声出し。ツボにはまったグラシアルからは、手を叩いて爆笑された。
「声出しって難しいです。前日の寝るまで考えて……。野球よりこっちの方が頭使ってるんじゃないかってくらい」と頭をかきながらも、表情には充実感が滲む。「何とかしたいという気持ちだけで頑張りました」と振り返ったムードメーカーが、バットでも盛り立てていく。
記事提供: