1試合5盗塁献上は「屈辱的だった」 千葉ロッテ6年目・柿沼が目指す正捕手の座

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千葉ロッテ・柿沼友哉※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
千葉ロッテ・柿沼友哉※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

昨季は自己最多の56試合に出場も、バッティングが課題

 千葉ロッテの柿沼友哉捕手は6年目のシーズンを1軍で迎えた。昨季は全試合でベンチ入りし、自己最多の56試合に出場。しかし打率は1割6分とバットで結果を出せなかった。スタメンマスクを被っても終盤に代打を送られることも多く、1試合を通してマスクを被るためには、まだまだ課題は山積みだ。

「正直なところ、まだまだ試合にも出ていませんし、チームにも貢献出来てはいないので、今のところはまだいいスタートを切れたとは言えないです」

 今季はバッティングフォームをよりシンプルにし、なるべくコンタクトしやすいよう、ノーステップも試す。オープン戦では打率3割と結果を残したが、今季はいまだ無安打。公式戦で結果を残せなければ、正捕手の座を掴み取れないことは、身に染みて感じている。

 自分の中で自信を持っているのは「盗塁阻止」。大学時代、スカウトに注目されるようになったのも、1試合で3つの盗塁を刺したことがきっかけだった。しかし、そんな自信が打ち砕かれそうになった試合があった。

「悔しさというより、情けなかったですね」

 9日の埼玉西武戦(ZOZOマリン)で、今季初のスタメンマスクを被った。初回の守りで、先頭の若林楽人外野手に出塁を許すと、2番・源田壮亮内野手の初球で若林がスタート。ボールが上手く手につかず、ワンバウンドで二塁に送球するも、タッチは間に合わずセーフとなった。

「やっぱり1つ目をしっかり投げれなかったというのが、1番の原因かなと……」

1試合5盗塁を許した「キャッチャーとしては屈辱的だった」

 柿沼の送球を見て、埼玉西武は何度も盗塁を仕掛けてきた。7回には二盗を試みる山野辺を刺しに行った送球が高く浮き、藤岡のグラブを弾いてボールはセンターへ。三塁への進塁を許してしまった。

「(二木には)『ごめん』って伝えました。そのあと粘って投げてくれたので、失点には繋がらなかったですけど……。そこで助けられなくて申し訳ないという思いは伝えました」

 そのピンチも何とか凌ぎ、先発・二木康太投手は7回1失点と踏ん張ったが、小野郁投手に代わった8回に先頭の若林に出塁を許すと、この日2回目の二盗を決められ、それをきっかけに5点を奪われ逆転を許した。9回こそ金子侑司外野手の盗塁を刺したが、この試合で6つの盗塁を企画され、5つの盗塁を許した。

「1番キャッチャーとして目に見える、(投手を)助けられる部分だと思うので、申し訳なさを感じました。1試合5つ走られるというのは、キャッチャーとして屈辱的だった。でもそこは自信を持ってやっていることなので、なんとかそこを取り戻してやっていきたいとは思っています」

 しかし、長いシーズンの中で、いつまでもミスを引きずってはいられない。メンタルの切り替えの難しさは、昨年1年間1軍にいた経験から、よく分かっている。

「キャッチャーとして1番試合に出たいです。そのためには打つ方でも、2割5分くらいは打たないと出続けるのは難しいと思いますし、そういう数字を求めたい」

 大学時代には右肘のトミー・ジョン手術も経験。周囲から学生コーチになることも進められたが、大好きな野球を続けたいという思いが勝った。育成2位で千葉ロッテから指名を受け、がむしゃらにプレーを続け、1年間1軍に居続けられるところまで這い上がってきた。次は正捕手の座を掴むため、信頼を勝ち取っていく。

◆柿沼友哉(かきぬま・ともや)1993年5月12日、茨城県つくば市出身。27歳。小学校では松代ブルーサンダース、中学ではつくばシニアでプレー。誠恵高校から日本大学国際関係学部に進み、2015年育成ドラフト2位で千葉ロッテから指名を受け入団。1年目の7月29日に支配下選手登録された。180センチ、82キロ。右投げ右打ち。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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