街とくらしを豊かにするスポーツコンテンツの力を信じて 株式会社博報堂DYスポーツマーケティング ソリューション本部 プランニング部 高橋直也さん【PLMキャリアインタビューVol.6】

パ・リーグ インサイト

2021.3.8(月) 18:00

(C)PLM
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「スポーツに関わる仕事」と一口に言っても、多種多様だ。今回は、パシフィックリーグマーケティング株式会社が運営するスポーツ業界専門の転職エージェントサービス「PLMキャリア」を通じて転職された方にインタビュー。転職のきっかけや仕事の魅力を紹介していく。

パッケージを売るのではなく、ストーリーを創る

あきらめない気持ちをもって何度挫折しても挑戦し、活躍できる場所を目指す。むしろその挫折や雌伏の経験を、いつか立てる舞台に生かす。これはアスリートやプロスポーツ選手のエピソードでもあるけれど、スポーツにかかわる仕事をしたいと思い続けた人たちのエピソードでもある。現在、広告会社グループのスポーツビジネス専門会社で業務に従事する高橋さんもそのひとり。スポーツとは関係のない会社で働きながら、いつか働きたいと願っていたスポーツと関係する仕事を目指し、夢を目標に変え、そして実現した。なぜ目指したのか?どのように経験をしてきたのか。その原体験から現在までは、この業界を目指す情熱を持った人にとって、良いロールモデルになるのではないだろうか。まずは現在の業務内容から聞いてみよう。

「入社した時はアスリートを広告などにキャスティングするアスリート事業本部に配属されました。アスリートとスポンサーとなる企業・団体を結び、こういうプロモーションをしていきましょう、スポンサーと契約することでこういう世界観を作れますよ、といった企画提案をする業務でした。2020年からは現在所属するプランニング部に異動し、プロスポーツのリーグやクラブ、協会などに、もっと人気を上げたい、収益を高めたいといったそれぞれの課題解決に向けてのコンサルティングや、当社内の様々なソリューションを横串で統合した総合的なマーケティング提案などを行っています。」

コンサルティングの内容は多岐にわたるようだ。

「調査、ヒアリングから、コンセプトづくり、全体設計、ブランディング、そして実施まで一貫して提案します。お客様が広告会社に求めるのは『いかにスポンサーを集めてくるか』がメインかもしれませんが現在はそれほど単純な話ではありません。戦略があってストーリーがあってファンの共感があって、その先の将来性がなければ、スポンサーさんにも簡単に理解いただけない。今、そのクラブやリーグに勢いがあったとしてもそれだけでは契約は成立しないんです」

クラブの歴史や目指す未来を徹底してヒアリング。そこから課題を抽出。提案という以上に、一緒にクラブや協会の哲学を作っていく。もちろん一方で、そのためにどんなテクノロジーを導入して、チケッティングをしていくのかなど具体的な施策の提案も必要だが、これもまずは「思い」と「哲学」がなければいけない、というのがこの仕事の軸。

「例えばファンをどうやって開拓していくのか。そしてライト層からコアファンになっていただくのか。その先にチケッティングや、そのためのテクノロジーがあります。スポーツマーケティングの会社ですから、従来通りのイベントをします、キャスティングをしますといったパッケージや既存のビジネスにとどまらず、ストーリーをもとに広げ、結びつける。私個人としても、スポーツの市場というものがよりよく拡大して、アスリートやそこにかかわる人たちにお金が渡ることが大切だと思っていて、今の仕事はとてもやりがいを感じています」

広告会社グループのスポーツビジネス専門会社として商材も人材も実績も豊富。なにをどのように、クライアントの物語と現実と将来を組み合わせていくのか。

「正解はないんじゃないでしょうか。だから面白い。組み合わせや広がりは他のエンタメやファッションとでもいい。そして、街やくらしとも結びつく可能性も秘めていると思っています。どうやったら価値を高めていけるのかを考えるのは大変ですが、面白いです」

高橋さんは新卒から2社、スポーツとは関係のない会社で営業畑を歩んできた。前職では金融関係企業を中心に、ITシステムの導入・設計・開発・構築・運用・保守といった、一連の導入支援や製品の販売の法人営業に従事。

「前職の仕事は単純に、乱暴な言い方をすれば、私はお金を引っ張ってきて、あとはエンジニアにおまかせするだけ。その前の仕事も課題に差し込める商品を選んで予算に合うようにカスタマイズして納品したら終わり。それが今は、企画段階から携わり、その結果どう変わったかといったものまで見られる仕事ができています」

かかわり方が変わった。

「パッケージがあるからそこまでしか考えられないということはない。そもそもコンテンツ自体はあっても、それがパッケージとしてあるわけではない。発想の仕方しだいで、自分の身一つでいかようにもできます。自由である分、しんどさはありますが、もともと企画、マーケティングを仕事にしたいと思っていて、その上、憧れだったスポーツ業界でそれができる。両方ともかなえられる部署にいられることに感謝しています」

挫折の連続はこれからのための修行

「ストーリーをうまく伝えて、それが広がって、それを目にしたファンが増え、街自体が盛り上がって、という景色が見える。それを、スポーツを通じてできたら、仕事としてやっていけたらという思いがありました」

という高橋さん。その原体験は1997年にあったと言う。

「横浜ベイスターズで活躍した鈴木尚典選手にあこがれて野球を始めたんです。そして1年後にベイスターズは日本一。あの時、スポーツに夢中になった。あの時の横浜の、街を挙げての盛り上がり。その後、ガラガラのスタンドで選手へのヤジがよく聞こえる暗黒期もあって、私も多感な高校生から大学生にかけてだったので辛かったですけど、そこからまた、今、ベイスターズブランドで横浜が盛り上がっている様子を見ていると素晴らしいなと思うんです。こういうスポーツを通じて、スポーツとともにある『おらが町』を、いろんなところに創りたいし、私もそういう町に住みたい。そういう思いがあります」

いつかはスポーツにかかわりたい。その思いは強くとも現実は厳しかった。

「特筆した技術は自分にはない。新卒でも、中途でも、広告会社を目指して、でも落ちまくりました。その間に、スポーツビジネスの学校にも通い、何とかコネを作ろうと思ったのですがそれも空振りでした。営業の道に進んだのも、モノを売ることで球団に貢献できるのではないかと思い、その経験を積もうという思いでやってきました」

それでもあきらめずに活動を続けている時にPLMキャリアを知り、高橋さん曰く「速攻登録」。そして現職に巡り合う。

「それまで、受験にしても就職活動にしてもうまくレールに乗れていない自分がいました。これはスポーツビジネスを目指す方のアドバイスになるかどうかわかりませんが、それでも好奇心旺盛に、スポーツ以外にも無駄な知識でもいいから吸収しておいたほうがいいと思うんです。それは仕事の経験でも。なんでも役に立つ。そう思ってがんばっていただきたいです」

回り道はある意味で良い修行。ようやくたどり着いた場所で輝くために必要な期間。たどり着いたといってもそこはゴールではなく、あくまでもスタート。ここでいかに蓄えてきた力と、実現したいと願ってきた夢を開花できるか。

「人生で熱中したこと、テンションが上がったこと。それを仕事にしたかった。今までの人生掘り返せば、それはやはりスポーツであり、そこから広がるストーリーでした。ポジション的な夢はかなったので、ここから、どういうことをやっていくのかを形にしていかなければいけないと思っています」

まず形にしてくべきは仕事の成果だろう。そしてその先へ。高橋さんが見据えていることとは。

「街づくりまで足を踏み入れたいです。地方創生なのか大都市の魅力の再発見なのか。何かしらの形でスポーツコンテンツを使って人々の暮らしをより豊かにする。スタジアムやアリーナが拠点でもいいですし、違う方法でもいい。日本でも海外でも、都会でも地方でもいい。そこに住みたい、住んで良かったというものを創りたいと考えています」

♢PLMキャリアの詳細はこちらからご覧いただけます。

文・岩瀬大二

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