今季はパ・リーグの各球団が“勝利の方程式"で苦労している印象だ。
福岡ソフトバンクは、昨季最優秀中継ぎ投手に輝いた岩嵜翔投手、シーズン新記録の54セーブをマークしたサファテ投手が故障で離脱。
楽天はセットアッパーの福山博之投手が4月8日の福岡ソフトバンク戦で4失点、守護神・松井裕樹投手は4月11日のオリックス戦から3戦連続失点とピリッとしない。
昨季まで守護神を務めていた平野佳寿投手が退団したオリックスは、北海道日本ハムから増井浩俊投手が加入し、抑えを担っているが防御率4.50。昨季勝ちパターンの役割を勝ち取った近藤大亮投手が防御率6.23、黒木優太投手も防御率5.73と安定感を欠いている。
マーティン投手、増井投手と“勝利の方程式"2人が一気に抜けた北海道日本ハムは、信頼できる救援投手が、10年連続50試合登板中の宮西尚生投手のみ。4月18日の埼玉西武戦では、8回表終了時点で8対0とリードしながら、8回と9回の2イニングスで9点を失いサヨナラ負け。マーティン投手、増井投手の抜けた穴はかなり大きい。
同じくシュリッター投手、牧田和久投手とセットアッパーが2人抜けた埼玉西武は、勝利の方程式として期待された高橋朋己投手が故障で離脱。苦しい救援事情の中、平井克典投手は防御率2.45、武隈祥太投手が防御率3.86の成績を残している。守護神・増田達至投手は4月20日の千葉ロッテ戦で、セーブがつかない4点リードの9回から登板し3失点と、ここ4試合は全て走者を背負うなど、やや不安定な投球が目立つ。
昨季最下位だった千葉ロッテは勝ち試合の8回は新外国人のシェッパーズ投手が、9回は内竜也投手が務める。シェッパーズ投手は4月11日の埼玉西武戦から3試合連続失点と、“8回の男"としてはやや物足りない印象だ。内投手も4月15日の福岡ソフトバンク戦で、柳田悠岐選手にサヨナラ本塁打を浴びた。
昨季リーグ優勝した福岡ソフトバンクは、救援防御率リーグトップの2.80をマークした。投手分業制となった現代野球ではリーグ優勝するためには、救援陣の出来がカギを握る。リーグ優勝、Aクラス入りするためにも各球団1日も早く“勝利の方程式"を確立したいところだ。
○福岡ソフトバンク
【セットアッパー】
モイネロ 8試合1勝0敗0S 3H 6回 防御率6.00
嘉弥真新也 8試合0勝0敗0S 3H 3回2/3 防御率2.45
【クローザー】
森唯斗 7試合0勝0敗2S 1H 4回2/3 防御率9.64
○埼玉西武
【セットアッパー】
平井克典 9試合0勝0敗0S 3H 7回1/3 防御率2.45
武隈祥太 8試合1勝0敗0S 4H 7回 防御率3.86
【クローザー】
増田達至 9試合0勝0敗4S 0H 8回 防御率4.50
○楽天
【セットアッパー】
福山博之 11試合1勝1敗0S 2H 12回1/3 防御率6.57
ハーマン 8試合0勝1敗0S 6H 7回 防御率3.86
【クローザー】
松井裕樹 9試合0勝2敗2S 1H 9回 防御率7.00
○オリックス
【セットアッパー】
近藤大亮 10試合0勝1敗0S 1H 8回2/3 防御率6.23
黒木優太 12試合0勝0敗0S 4H 11回 防御率5.73
【クローザー】
増井浩俊 7試合1勝0敗3S 0H 8回 防御率4.50
○北海道日本ハム
【セットアッパー】
宮西尚生 8試合1勝0敗0S 4H 6回 防御率0.00
トンキン 9試合1勝0敗3S 2H 8回2/3 防御率3.12
【クローザー】
石川直也 10試合0勝1敗5S 2H 9回 防御率6.00
○千葉ロッテ
【セットアッパー】
松永昂大 8試合0勝1敗0S 6H 4回 防御率4.50
シェッパーズ 11試合0勝0敗1S 5H 10回 防御率5.40
【クローザー】
内竜也 9試合1勝1敗2S 2H 7回1/3 防御率2.89
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