育成選手で入団した千葉ロッテの柿沼友哉選手は、プロ3年目の今季、初めて開幕一軍の座をつかんだ。しかし、一軍の試合に出場することなく4月4日に二軍落ちとなった。
「開幕戦の独特な雰囲気が味わえたのは、良かったんですけど…」と切り出した柿沼選手は、「結局1試合も出られずにファームに落ちたので、悔しいですけど、なんていうんですかね。ミスをして落ちたわけではないので、もともと試合に出られず、出番がないので落とされてしまった。実力不足なのかなというところで、悔しい部分しかない。悔しさしか残らない5日間だったかなという感じです」と一軍での生活を振り返った。
ただ、オープン戦は一軍に帯同し、主力投手の球を受ける機会も多かった。「オープン戦は一軍の当落線上のピッチャーもいる中で、年の近いピッチャーが一生懸命抑えて、その中で良いものをちょっとは出せたのかなという感じはあります」と手応えを口にする。
その一方で「ブルペンで内さんの球を捕ったことはありますけど、試合で組んだことがないから、映像を見たまんまのリードになってしまった」と、3月18日の巨人とのオープン戦、守護神・内竜也投手とバッテリーを組んだ際の配球を反省した。
この日内投手は、先頭の田中俊太選手に四球を与えると、中井大介選手に右翼前に運ばれ、山本泰寛選手の一犠選で満塁のピンチを招く。マギー選手、辻東倫選手を三振に打ち取って2死としたが、岡本和真選手に3点適時二塁打を浴びた。
「内さんの良いところを全然出せませんでした。もちろん内さんにとっては調整かもしれないけど、僕としては抑えたいので、その中で良いものを出せなかったのは、終わってから後悔しました」と悔しがった。
試合後には内投手と配球について話し合ったそうで、「良いボールを上手く出せていけなかったときに、『俺はこういうボールを投げたいんだよ』と教えてもらえた。僕は途中出場でマスクを被る可能性がある。内さんと組めるように頑張るだけ。今後につながるようなことを言ってもらえました」と、打たれた中にも収穫があったという。
再び一軍の舞台に這い上がるため、現在は「トータル的にレベルアップしないと、上がってもすぐに落とされてしまう」と危機感を募らせる。今のところ二軍打撃成績は10試合11打数2安打1打点、打率.182だ。
練習で意識しているのは「これをアピールして一軍に上がるというよりは、総合的にもっとレベルアップしてというイメージ」。悔しさを糧に、一軍に定着できる力を身に付ける。
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