世界一3度のボウチー監督「彼がどれほど特別な選手になるか…」
昨年12月に北海道日本ハムが大谷翔平選手をポスティングした時、メジャー30球団の大半が獲得に動いたことは周知の事実だ。書類選考を経て直接面談のチャンスを得た7球団は“ラッキーセブン"と呼ばれたほど。そのうちの1つで早々に面談したのが、ナ・リーグ西地区のジャイアンツだった。
20日(日本時間21日)から敵地アナハイムでエンゼルスとの3連戦に臨んだボウチー監督は、エンゼルス入りした大谷について「彼の決断は正しかったと思う」と笑顔で話したという。米スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」が伝えている。
オフにパイレーツからマカッチェン外野手、レイズからロンゴリア内野手をトレードで獲得するなど大型戦力補強に努めたジャイアンツは大谷獲得にも尽力。ボビー・エバンスGMは大谷視察のために来日も果たした。
記事によれば、ジャイアンツは週に1度先発マウンドに上がり、3、4試合に野手出場するというエンゼルスとほぼ変わらないプランを提示。DHが存在しないことが障害になるかもしれないと知ってはいたが、「それでもトライした」という。それというのも、大谷はそれだけの価値のある選手だから、だ。
記事では、昨年9月に大谷の“二刀流"について質問を受けたボウチー監督が、実現について否定的な見解を示した翌日に翻意したエピソードを紹介。
メディアに対して否定的な発言をした直後に大谷の打撃ビデオを見た世界一3度の名将は、そのバットスピードに衝撃を受け、翌日メディアに対して「もう一度大谷について話してもいいかな。というのも、二刀流は実現できると思うんだ」と自身の発言を訂正した。
LAでの直接面談が“不意"も「私の時間はそこまで貴重なものじゃない」
結局、大谷はジャイアンツのユニホームを着ることはなかったが、ボウチー監督はその動向をチェック。
オープン戦では投打に苦しんだが、特に打撃面ではコーチのアドバイスを取り入れてレッグキックを辞めるなど、メジャー流に即座に適応した事実を見て「バットスピードは元々ある上に、すでにアジャストして成果が出ている。彼がどれほど特別な選手になるか、それを我々は目撃しているということだ」と高く評価しているという。
大谷がエンゼルスでは投手とDHの二刀流を始めたことで、同じく獲得に動いた昨季ナ・リーグ覇者ドジャースでは“不満の声"が上がったと報じられたこともあった。直接面談に借り出された左腕カーショーや主軸ターナーが、大谷は元々ナ・リーグに来る気はなかったのではないかと推察し、「時間の無駄だった」と発言している。
だが、ボウチー監督は「もちろん、望み通りにいかなかった方としてはあれやこれやと考えるだろう。時間の無駄だったかって? いや、リスクを背負ったとしても、その価値がある特別な選手なんだ」と一蹴。
さらに、笑顔を浮かべながら「それくらい何でもないよ。ロサンゼルスで1日過ごさなければならなかった。でも、私の時間はそこまで貴重なものじゃない」と話し、懐の深さを見せたという。
獲得できなかった球団から様々な声が挙がるのは、それだけ大谷翔平という逃した魚が大きかった証だろう。やはり獲得したかったと言われ続けられるようなパフォーマンスを披露していきたい。
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