本拠地・QVCマリンのビジョンを使った千葉ロッテの球場演出

パ・リーグ インサイト 武山智史

2016.11.5(土) 00:00

千葉ロッテマリーンズ・チェン投手(C)パーソル パ・リーグTV
千葉ロッテマリーンズ・チェン投手(C)パーソル パ・リーグTV

10月5日、本拠地・QVCマリンフィールドで行われた千葉ロッテのシーズン最終戦。楽天に7対1で勝利を収め、試合後にはホームゲームで勝った際の恒例行事が行われようとしていた。

キャプテンの鈴木大地選手がハンディメガホンを手に、ライトスタンドの千葉ロッテファンに向け「We Are!」と叫ぶ。その声にファンも「We Are!」で応えそのやり取りが続く。そして「千葉ロッテ! 千葉ロッテ!」と選手たちとともにファンもジャンプ。ライトスタンド上に設置されたサブビジョンには、ファンの歓声に合わせて音圧計が上下して表示される…。

今年、千葉ロッテのホームゲームは72試合行われ、観客動員数は152万6932人。前年と比較すると15.5%増と数字を伸ばした。春先からチームが好調、「マリンフェスタ2016」や「ALL for CHIBA」といったイベント開催もその要因と言える。また、今年は本拠地・QVCマリンの大型ビジョンを改修し、レフトスタンド、ライトスタンドにサブスクリーンを設置した。ビジョン改修によって以前「千葉ロッテが次々に打ち出すファンを楽しませる新しい試み」の記事で触れた「スマホシェイク」などの新しい試みも生まれ、スタジアム演出に大きく幅が広がった。

冒頭の「We Are!」の際に登場する音圧計もその一つ。ビジョン演出を担当する千葉ロッテ企画部の大高健氏はこう話す。

「NBAでは相手チームのフリースローの際にプレッシャーをかけるために音圧計を使った演出がありますが、日本の球場で音圧計を取り入れた演出を導入したのは初めてです。千葉ロッテの大きな特徴と言えば熱気のあるライトスタンドの応援。それをうまくビジョンの表現に活用できればと思い、取り入れました。勝った時の『We Are!』はもちろん、石川歩投手がヒーローインタビューに立った時の『絶景です!』など、様々な場面で使われています」

今年から始まった音圧計を使った球場演出。今後はどんな使われ方があるのだろうか。大高氏は「これはアイデアレベルですが…」と前置きした上でそのプランを明かした。

「音圧計の機能をうまく使ったイベントができないかなと考えています。例えば大声コンテストを開催したり、千葉ロッテの選手がホームランを打った時に、球場の盛り上がりを示すために音圧計を出すのも面白いですよね」

試合中、レフトスタンドのサブスクリーンでは千葉ロッテの守備中に登板している投手の詳細なデータ、攻撃中では打席に立つ打者のその試合での打撃結果などスタッツ情報を表示。ライトスタンドのサブスクリーンには他球場の途中経過を出している。これも野球観戦を楽しむ上での重要な役割を果たす。

「いろいろな球場演出や映像コンテンツがありますが、あくまで試合をより盛り上げる補助的な役割です。そのためにもどんな情報や演出が必要かを来シーズンに向けて考えています」と締めくくった大高氏。2017年のシーズン、千葉ロッテはビジョンを用いたどのような球場演出を見せてくれるのか。今から興味は尽きない。

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パ・リーグ インサイト 武山智史

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