“松坂世代”楽天・久保裕也が引退会見 迷わず即決断「結果出ず力の衰え感じた」

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2020.11.7(土) 13:08

楽天・久保裕也※写真提供:Full-Count(写真提供:東北楽天ゴールデンイーグルス )
楽天・久保裕也※写真提供:Full-Count(写真提供:東北楽天ゴールデンイーグルス )

転機は2010年に巨人1軍内野守備走塁コーチだった木村拓也さんの急死…恩人思い涙「気持ちが大きく変わった」

 楽天の久保裕也投手が7日、今季限りでの引退を表明した。オンラインで会見を開き、「イーグルスに来て、野球を失っても構わないと思ってから、より真剣に取り組むことができました。18年間、野球を楽しむことができて幸せでした」と語った。

 1980年度生まれの松坂世代で、不惑のベテランがまたひとり現役のユニホームを脱ぐ。「同期には本当にレベルの高い選手がたくさんいましたし、僕の中には友人であり、ライバルであり、尊敬する同級生が多かったので、いい世代に生まれてきたんだなと思います」と注目を浴びた世代を振り返った。会見では、前日に引退試合を行った同級生の渡辺直人内野手兼コーチから花束を受け取り、抱擁を交わした。

 久保は東海大から2002年のドラフト自由枠で巨人に入団。2010年には球団史上最多79試合登板を果たすなど、先発、中継ぎ、抑えとして活躍した。2016年には横浜DeNAに加入。1年で戦力外となるも、2017年にはテストを受け楽天に入団。中継ぎの一角としてブルペンを支える時期もあった。今季はここまで5試合に登板し、1勝0敗、防御率13.50だった。

 引退について久保は「今シーズンを自分自身で振り返った時に、なかなか結果が出せず、力の衰えを感じた。球団に力の限界を伝えて引退することにしました」と語った。「イーグルスに入団するときに最後の球団にすると決めてずっとプレーしてきた。迷うことなく引退する方向に固まったので、すぐに決めました」と話した。

 「プロ入ったときはすごく練習が嫌いで、毎日いかに楽をするかを考えていた」と若手時代を振り返った久保。プロ5年目ごろから意識が変わったといい、中でも大きなきっかけは2010年、当時巨人の1軍内野守備走塁コーチだった木村拓也さんの急死。助言をくれていた恩人の訃報に直面し「そこが僕の気持ちが大きく変わったというか、モヤモヤしたものが吹っ切れた瞬間でした。何でもできることの強みを教えてくれた人でした」と涙を拭った。

 実働18年で通算506試合登板で54勝37敗、37セーブ、113ホールド、676奪三振で防御率3.45。残り少なくなった松坂世代の右腕が現役に別れを告げたことで、NPBでの同世代の現役は埼玉西武の松坂大輔と福岡ソフトバンクの和田毅の2人に。久保は「1年でも長くやってほしい。いつかやめるときが来たら、お疲れ様と言ってやりたい」と思いを込めた。

(Full-Count編集部)

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