【試合戦評】大谷選手が値千金のサヨナラ打。本拠地で連敗を止めた北海道日本ハムが逆襲へ

パ・リーグ インサイト

2016.10.25(火) 00:00

敵地・マツダスタジアムでまさかの連敗を喫し、本拠地・札幌ドームに戻って迎える「SMBC日本シリーズ2016」の第3戦。流れをガラリと一変させて巻き返しを図りたい北海道日本ハムの先発は、チームの勝ち頭・有原投手。対する広島の先発は、今季限りでの現役引退を表明している黒田投手。年齢差18歳の両右腕による対決となった。

初回、先発・有原投手が3者凡退に抑える上々の立ち上がりを見せると、その裏に1死から2番・近藤選手が安打で出塁。今日は3番・指名打者で出場の大谷選手が二塁打で続き、4番・中田選手が打席へ。中田選手は内角低めの変化球を打ち損じて遊ゴロとなるも、その間に3塁走者が生還。3戦目にしてようやく北海道日本ハムが先取点を奪う。

このまま試合を優位に進めていきたいところだったが、直後の2回表にエルドレッド選手に外角高めの変化球を捉えられ、3試合連続となる一発でリードを奪い返される。

反撃を見せたい打線が円陣を組んで迎えた4回裏に再び攻勢に出る。先頭の大谷選手が右中間をあっという間に破る二塁打で出塁し、一気に反撃への期待が高まる。しかし、後続が黒田投手の動くボールに対応できず、この好機を逃してしまう。

有原投手が3回以降は立ち直り、5イニングス連続無失点。8回は宮西投手が厳しいコースを突く投球で無失点に抑えて流れを呼び込むと、見せ場が8回裏にやってくる。

まずは先頭の中島卓選手が持ち味を存分に発揮し、粘りに粘って四球で出塁。2死となり、大谷選手が敬遠気味の四球で1,2塁。球場内のボルテージが一気に上昇し、目の前でこの四球を目の当たりにしていた4番・中田選手が大歓声を背に受けながらゆっくりと打席へ向かう。ボールが先行し、カウント2-0からの3球目をバットの先で強引に振り抜くと、打球はライナー性の当たりとなって前進する左翼手の前で弾んで後方へ。この間に2者が生還し、3対2と一気に試合をひっくり返す。

9回は谷元投手が上がり、このまま逃げ切りといきたいところだったが、8番・安部選手に適時打を浴びて追い付かれてしまう。

試合は延長戦に突入し、10回表はバース投手が無失点に抑えて迎えた10回裏。1死から四球で西川選手が出塁し、陽選手は倒れて2死となり3番・大谷選手が打席へ。3球目に1塁走者・西川選手が盗塁を決めて得点圏へ進み、4球目の直球を大谷選手がライト前にはじき返す。この当たりで2塁から俊足・西川選手が生還し、これまでの嫌な流れを振り払う殊勲のサヨナラ勝利。今日2安打の大谷選手がやはり、この重要な場面でも結果を残した。

1点ビハインドの8回裏に中田選手の一打で逆転し、9回に追い付かれたものの、大谷選手の殊勲打で価値ある一勝を手にした。これで対戦成績は1勝2敗となり、流れも北海道日本ハムに傾きつつある。明日も本拠地で白星を挙げ、まずは2勝2敗の五分に持ち込みたい。

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