サファテは近日中に米国へ帰国、専門医の検査を受けることに
2年連続の日本一を狙う福岡ソフトバンクが、チームの根幹を揺るがす事態に見舞われた。18日、守護神のデニス・サファテ投手が右股関節の強い張りのために、出場選手登録を抹消された。近日中に母国のアメリカに帰国し、専門医の診察、検査を受けることになったのだ。
2014年にチームに加わってから、絶対守護神としてチームに君臨してきたサファテ。昨季はプロ野球最多セーブ記録を塗り替え、前人未到の54セーブまでその記録を積み上げていった。昨季終了時点で通算229セーブとし、今季中の250セーブ到達は確実だと見られていた。
今季ここまで5セーブをマークしていた右腕だったが、4月7日の楽天戦(楽天生命パーク)での試合後に同箇所に強い張りを感じたという。
その後、右腕は花粉症と偽って故障を表に出ないようにした。監督、コーチもその情報をひた隠しにしてきた。「もし他チームに知られたら、バントで攻められる可能性もある。皆さんに嘘を伝えるつもりはなかったんだが、申し訳なかった」。
だが、症状は改善せず、帰国して検査を受けることを決断した。復帰などについてはこの検査の結果次第とはなるが、厄介な股関節の故障で、長期の離脱となる可能性もあるだろう。
昨季は6回終了時リードで76勝3敗と驚異的な勝率も…
守護神の離脱がチームに与える影響は計り知れない。「キング・オブ・クローザー」としての存在感は、他の選手にはないもの。登場した際に相手チームに絶望感を与える投手は、球界を見渡しても、なかなかいるものではない。投手陣全体の精神的支柱でもあり、選手1人が欠ける以上の痛手であることは間違いない。
それだけにとどまらない。と言うのも、今季既にホークスは昨季72試合に投げ、最優秀中継ぎ投手に輝いた岩嵜翔投手を故障で欠いている。
岩嵜は4月12日に右肘の関節クリーニング手術を受け、全治3か月程度が見込まれている。順調にいっても復帰は夏場となりそうである。昨季、6回終了時にリードしていた場合は76勝3敗と驚異的な強さを誇ったのも、この岩嵜とサファテの存在があったからに他ならない。
和田毅が右肩違和感で復帰のメドが立たず、捕手にも怪我人が続出してきた福岡ソフトバンク。高谷裕亮こそ復帰したものの、中村晃が右大腿二頭筋損傷で離脱となり、状況はこれまで以上に悪化したと言える。
最大の懸念は柱2本が抜けた勝利の方程式をどうするか。現状ではリバン・モイネロ、森唯斗、嘉弥真新也、そして加治屋蓮あたりで凌いでいくしかないが……。
昨季も怪我人続出を選手層で乗り越えた福岡ソフトバンクだが、今季は果たしてどうなるか。2年連続日本一に向けて、状況はあまりにも厳しい。
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