悲願のリーグ制覇を成し遂げ、2016 日本通運 クライマックスシリーズも順当に勝ち抜いた北海道日本ハムと広島。この大舞台では初顔合わせとなる両者による頂上決戦「SMBC日本シリーズ2016」の初戦の先発は北海道日本ハムが大谷選手、広島がジョンソン投手で幕を開けた。

初回、北海道日本ハムがジョンソン投手をいきなり攻め立てる。まずは先頭の西川選手が俊足を生かして内野安打を勝ち取ると、中島卓選手の犠打で二進。続く岡選手の安打で1死1,3塁の好機とし、中田選手、陽選手を迎える。しかし、ここはいずれも低めへのカーブにバットが空を切り、連続三振で抑え込まれてしまう。

その裏、大谷選手が自身初の日本シリーズのマウンドに上がり、簡単に2死を奪うが、3番・丸選手に安打を許し、球場の雰囲気がガラリと一変。広島ファンの大歓声が球場内に響き渡ると、大谷選手がやや動揺を見せたか、暴投で得点圏への進塁を許してしまう。しかし、ここでしっかりとギアを入れ替えて4番・松山選手と対峙し、低めの154キロの直球で空振り三振。無失点で切り抜ける。

2回表、2死から8番打者として打席に立った大谷選手が左中間フェンスを直撃する二塁打を放ち好機を演出するが、後続が打ち取られて無得点。すると、直後の2回裏に1死1,3塁のピンチを招き、8番・石原選手は三振で打ち取るも、1塁走者が盗塁を仕掛け、捕手・大野選手が2塁へ送球。その間に3塁走者の生還を許し、先制点を献上してしまう。

3回は変化球主体の投球で3者凡退に抑えた大谷選手。しかし、4回裏に松山選手とエルドレッド選手に2本塁打を浴びて0対3。3点を追い掛ける苦しい展開となる。

走者を出しながらも、6回までジョンソン投手を相手に決定打を抑え込まれていた打線が7回にようやく反撃。先頭のレアード選手が4球目のシュートを捉えてセンターへのソロ本塁打。今季本塁打王の「センター方向にしっかり自分のスイングができた」という意地の一発で1点を返すも、反撃への機運が高まった直後の7回裏に2点を失って万事休す。敵地・マツダスタジアムでの日本シリーズ初戦は広島に軍配が上がった。

大谷選手で必勝を期して臨んだ初戦だったが、再三の得点機を逸してしまうなど、最後まで流れを呼び込めずに手痛い敗戦を喫してしまった。しかし、日本シリーズはまだ始まったばかり。まずは明日の試合を制し、1勝1敗の五分に持ち込んで本拠地・札幌ドームに戻りたい。