林昌範氏は北海道日本ハム時代にチームメートだった「年下の僕の意見にも耳を傾けてくれました」
最下位に低迷するオリックスの西村徳文監督が20日に辞任しました。中嶋聡2軍監督が監督代行として指揮をふるうことになりましたが、オリックスが大きく生まれ変わる可能性があると思います。
僕が北海道日本ハムで現役だった頃に中嶋さんは選手兼任コーチで、一緒にプレーさせていただきました。中嶋さんは義理人情に厚く、バッテリーを組む投手に対して本音でぶつかってくれる印象が非常に強かったです。時に厳しい意見はありましたが、投手を思っての言葉でスッと胸に入ってくる。コミュニケーションを重視される方で、年下の僕の意見にも真剣な表情で耳を傾けてくれました。
バッテリーを組ませていただいた時に「ミスしても俺が(首脳陣に)謝ってやるから」と言ってくれた時は胸に響きましたし、「中嶋さんと打者を絶対に抑える」と気合が入りました。明るい性格で雰囲気作りもうまく、本当に頼もしい方でした。
昨年からオリックスの2軍監督を務め、選手たちの能力を熟知しているのも大きな強みだと思います。監督代行で連勝スタートを飾った21、22日の埼玉西武戦(京セラドーム)ではベンチの雰囲気を見ていましたが、選手からよく声が出ていて活気を取り戻していたように感じました。
最下位に低迷していますが、オリックスは戦力を見ると決して弱いチームではないと思います。エースの山岡泰輔選手が左脇腹痛で6月下旬に戦線離脱したのは大きな痛手になりましたが、先発陣は山本由伸投手、田嶋大樹投手、山崎福也投手、アルバース投手と長いイニングを投げられる能力の高い投手がそろっています。救援陣も吉田凌投手、ヒギンス投手、沢田圭佑投手、守護神のディクソン投手とキレのある直球と決め球の質が高い変化球を投げられる投手が控えています。
打線もリーグワーストの得点と貧打に苦しんでいますが、吉田正尚選手、ジョーンズ選手、T-岡田選手、伏見虎威選手など中軸を打てる強打者がそろっています。中嶋監督代行が今後どのような戦略を立てて逆襲するか。まだ試合数は多く残っていますし、パリーグの台風の目になってほしいですね。
文/構成 インプレッション・平尾類
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