大谷の慎重な起用法にも注目「もっと起用しようという魅力に駆られない」
13日(日本時間14日)の敵地ロイヤルズ戦に今季初めて「7番・DH」で出場し、4打数2安打1得点と活躍した大谷翔平投手。
スタメン出場では7試合連続安打を記録し、今季3度目のマルチ安打もマークして5-4の逆転勝利に貢献した。投打に奮闘する“大谷効果"は絶大だが、ア・リーグ西地区で昨季のワールドシリーズ王者アストロズを差し置いて首位に立つエンゼルスではチームメートの活躍も光っている。
「エンゼルスは再生した。そして、ショウヘイ・オオタニだけが理由ではない」と特集したのは米紙「ニューヨーク・タイムズ」だ。
その中で、ビリー・エプラーGMは序盤の好調について「まだ結論づけるには早すぎる。我々は自分たちのプロセスにただただ従ったまでのこと」と語っている。
二刀流の道を突き進む大谷は打者として3試合連続本塁打、投げては7回途中まで完全投球を見せるなど圧巻の活躍を見せている。ただ、マイク・ソーシア監督が起用法に細心の注意を払っていることに記事では注目。こう分析している。
「オオタニは約1世紀に渡り、誰もなし得なかった偉業に挑戦している。エンゼルスには彼の起用に関する明確なテンプレートが存在しない。そして、彼らは慎重なアプローチをとっている。オオタニは序盤に成功を収めたが、彼をもっと起用しようという誘惑に駆られてはいない」
エプラーGMも「計画とプロセスは全て我々の事前に立てたものに沿っている。これが我々の灯台になる。この灯台を目指し、そこに向かって突き進む。結果やフィールド上で起こることは霧に包まれている。我々は選手を十分にケアし、彼らが活力に漲り、休養十分で、準備万端でいられるようにするだけだ」と語ったという。
新戦力を獲得した時、首脳陣が気を付けるべき点とは
大谷自身は、同紙の取材に対して、もっと試合に出場したいとの思いを通訳を介して明かしている。ただ、故障を防ぐためのチームの慎重な起用法にも理解を示しているという。
一方で、エンゼルスでは懸案事項の先発ローテーションに怪我人が続出。ただ、記事ではその他の選手たちの活躍を特筆している。
踏ん張りを見せている先発陣では、開幕で故障者リスト(DL)入りしていたアンドリュー・ヒーニー投手がこの日のロイヤルズ戦で初先発。5回3失点とまずまずのピッチングを見せた。
11日(同12日)の敵地レンジャーズ戦ではメジャー初先発のハイメ・バリア投手が5回1安打1失点で勝利投手となり、エースのギャレット・リチャーズ、左腕タイラー・スカッグスも力投を続けていることにも記事では触れている。
また、打線では新加入のザック・コザート内野手、昨季途中に加入したジャスティン・アプトン外野手らの奮闘も光っているという。
「かなりの多くの新戦力がクラブハウスにやってきた時、フロントが気をつけなければいけないことは、彼らがいかに絆を芽生えさせるか。自分のこれまでの経験よりも、今年はそれは早かったんだ」
エプラーGMはクラブハウスで早くも芽生えた絆について、記事の中でこのように言及。そして、好調の打線については「大事なことはバトンの受け渡し。打線に連動性があれば、活気づく。選手全員がチームに貢献するという気持ちになれば、その心構えが機能するんだよ」と話したという。
開幕直後に内転筋の違和感で離脱していた補強の目玉の一人、イアン・キンズラー内野手もこの日の試合では攻守に大活躍した。
スーパースターのマイク・トラウト外野手、レジェンドのアルバート・プホルス内野手という大黒柱に、二刀流のスーパースターと実力者が加わったエンゼルス。14年シーズン以来のプレーオフ進出へ、役者は揃った。
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